RSNPを利用して、複数のロボットから情報を集約する実験を実施:ロボット開発ニュース
芝浦工業大学と産業技術大学院大学は、サービスロボット用の通信プロトコルRSNPを介したネットワーク実験を実施し、6種類のサービスロボットから多様な情報の集約を検証したと発表した。
芝浦工業大学は2018年11月5日、産業技術大学院大学と共同で、サービスロボット用の通信プロトコルRSNP(ロボット・サービス・ネットワーク・プロトコル)を介したネットワーク実験を実施し、複数のロボットから多様な情報の集約を検証したと発表した。
この実験は、任意団体のロボットサービスイニシアチブ(RSi)らと協力し、同年10月に東京ビッグサイトで開催された「Japan Robot Week 2018」で実施した。芝浦工業大学らの4つのブースに、異なる機能を持つ複数のサービスロボットを配置して実験を行った。
例えば、芝浦工業大学のブースでは、インタフェースロボットと人検出センサーシステム、アンケートロボットを配置。人の人数や混雑度、アンケートロボットが収集した回答件数を会場と離れた品川区にある産業技術大学院大学のRSNPサーバに送信し、インターネット経由で芝浦工業大学ブースの連携デモ表示画面にこれらの情報を表示した。
また、他のブースには、新規開発のRSNP情報収集モジュールを搭載した移動ロボットを配置。移動ロボットの移動した位置情報をRSNPサーバに送信し、連携デモ表示画面に表示した。
今回の実験により、異なる機関や企業が有するロボットの稼働状況データを共通のデータ形式で取得・一括管理できることを確認した。また、RSNP情報収集モジュールを搭載の移動ロボットにより、RSNPサーバへの容易な接続を実証した。
今後、地域での実証や参加企業を増やし、サービスロボットの活用の場を広げたいとしている。
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