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人手不足はロボットで解決、人とともに働き技能伝承も手伝う協働ロボット(1/2 ページ)

食の安全安心を実現する製品や技術、サービスの専門展「フードセーフティジャパン・フードファクトリー」(2018年9月26〜28日、東京ビッグサイト)において、川崎重工業精密機械・ロボットカンパニー ロボットビジネスセンター 営業企画部 部長の真田知典氏が講演した。

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 食の安全安心を実現する製品や技術、サービスの専門展「フードセーフティジャパン・フードファクトリー」(2018年9月26〜28日、東京ビッグサイト)において、川崎重工業 精密機械・ロボットカンパニー ロボットビジネスセンター 営業企画部 部長の真田知典氏が講演した。

 セミナーでは、産業用ロボットの市場概要から、少子高齢化(労働力不足)問題、技能継承および事業継承問題、将来に備えた技術開発をテーマに、製造現場の自動化と労働力不足問題に対するロボットメーカーからの提案を紹介した。

日本で最初に産業用ロボットを開発

 講演では、まずロボットの歴史について説明。1920年にチェコの劇作家カレル・チャベックが「RUR(ロッサムの万能ロボット)」を発表し、そこでロボットという言葉が生まれたとされている。

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川崎重工業 精密機械・ロボットカンパニー ロボットビジネスセンター 営業企画部 部長の真田知典氏

 その後、30年以上が過ぎた1954年に米国のジョージ・C・デボル氏が「産業用ロボット」(ティーチ・プレイバックロボットの概念)の特許を出願し、1956年にデボル氏とジョセフ・F・エンゲルバーガー博士がUnimationを米国コネチカット州に設立した。ここで産業用ロボットが誕生したといわれている。1960年に同社が油圧駆動式ロボット「Unimate」の販売を開始している。川崎重工業はこのUnimationと技術提携し「日本で最初の産業用ロボットを開発した企業だ」(真田氏)とする。

 そこから、産業用ロボットの世界市場は平均年7%で成長してきた。直近の2017年は17%程度の成長となるなど躍進。特に「中国・アジア・日本」のシェアが高く、「世界の3分の2のロボットがこの地域で稼働している」(真田氏)。この世界で活躍する産業用ロボットは日本メーカーが販売実績において市場の55%を占める。また、日本に次ぐ欧州と合わせるとその占有率は8割を超す。

 累計稼働台数でみると2020年には、中国の累積稼働台数が進み、2013年と比べて3倍近い95万台になりそうだ。一方、日本は新規モデルと入れ替えが行われる関係で、累計稼働台数では2020年には31万6000台(2016年比10%増)程度になるとみられている。

 こうした産業ロボットの歴史の中で川崎重工業のロボット事業は、2018年、日本初のロボットメーカーとして操業を開始して50周年を迎えた。この間には、潜水調査船「しんかい6500」のアームロボットや、日本初のリハビリ用ロボット、無菌空間用ロボット、医学関連ロボットの開発など、新しい市場へもアプローチしてきた。ただ、あくまで事業の中心となってきたのは、自動車メーカーの工場向けの溶接ロボット(スポット溶接、船舶メーカーなどのアーク溶接)や塗装ロボット、半導体製造装置での搬送ロボットなどだ。

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自動車の溶接ロボットの活用イメージ

 そして、現在、同社が積極的に進めているのが、ここ数年問題が表面化してきた労働力不足や、製品の品質を高めたいなどのニーズに応えるための人の問題に対応した協働ロボットへの取り組みである。

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