豪雨の学生フォーミュラ2018で思った、「ここが変だよ! 日本の就活」:車を愛すコンサルタントの学生フォーミュラレポ2018(1)(2/4 ページ)
お待たせ! 恒例企画。車とバイクが大好きなモノづくりコンサルタントから見た「全日本学生フォーミュラ大会」。2018年も楽しくレポートします! さて第1回はどの大学が登場するでしょうか。あと……、今の日本企業の新卒採用に、関がモノ申す!!
No.22 静岡理工科大学(SIST Formula Project)
続いても私がスポンサーをしているチームです。チームリーダーの杉浦聖大さんにお聞きします。
S 2018年のマシンコンセプトを教えてください。
杉浦さん(以下SG) 「サーキットエンペラー」というテーマで活動をしました。サーキットで圧倒的に勝つ「皇帝」のようになりたいという思いです。車両自体は軽量コンパクト、運転のしやすいマシンの開発に取り組みました。実は2018年はエアロデバイスを装着したかったのですが、製作途中で大きな問題が発生し、かないませんでした。
S それは設計上の問題? それとも製造上の問題?
SG 製造です。CAD上ではしっかり設計したのですが……。2018年は新たな取り組みとしてリアに削り出しのバルクヘッドを導入しました。
S お、見せて見せて。 あ〜、美しいね! 美しい美しい! これはスポンサーさんに作ってもらったの?
SG いいえ、自分たちで作りました。設計は私たち、加工は学内の工作センターで職員さんにしていただきました。エンジンマウントやダンパー、アームの入力点などを一カ所に集められるメリット、そしてやはり見た目の美しさが魅力です。
S エンジンは単気筒でしたよね?
SG はい、スズキの「LT450」です。熱関始動性についても問題ないレベルに仕上がっています。あとデファレンシャルを新しいものに変え、バルクヘッドをその色に合わせています。デフマウント自体はスプロケットのゴールドに合わせてアクセントとしています。
K アルマイトは自分たちでやったのですか?
SG はい、初めてチャレンジしました。匂いが結構きつかったですが、思ったより簡単にきれいに出来ました。
S 4ポッドのブレーキもホイール内にコンパクトに収まっていていいですねぇ。萌えるなぁ〜♪
K 今回の悪天候の影響はありませんでしたか?
SG 全大会の成績が良かったため、車検は初日に優先的に受けることができ、指摘事項もその場で直せるレベルのものだったので、動的審査もコースがドライの状態でスムーズにこなせました。ただ、セッティングはきっちり詰めたつもりだったのですが、オートクロスでアンダーが出て、コーナー立ち上がりでアクセルをなかなか開けられない状態になっています。今、若干リアの車高を落として対処していますが、エンデュランスでどうなるか少し不安を抱えています。
S でも、出走順はかなり後の方なのでオートクロスの成績は良かったんですよね?
SG オートクロスの2日目が完全にウェット状態だったので、速いドライバーを2日目に用意していたチームがタイムを伸ばせませんでした。うちはその点では恵まれました。
S 今からの天気が心配ですが、しっかり完走してくださいね!
その後のエンデュランスではフルウェットコンディションでの走行にもかかわらず、8位と上位に食い込みましたが、コストやプレゼンテーションの静的審査で得点が伸び悩み、総合成績は24位と前回の25位からジャンプアップすることは出来ませんでした。また、静岡理工科大と言えば学生フォーミュラにおけるEVのパイオニア的存在ですが、今回は大会直前のトラブルで動的審査に出場できませんでした。2019年はICVの進化と、EVの復活の2つのテーマにしっかり取り組んでくれることを期待します。
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