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IoTやIIoTビジネスと製造2025で進撃する中国3D設計推進者が見た中国製造業とデジタル変革(3)(1/2 ページ)

「世界の工場」と呼ばれる中国であり、また世界有数の国際都市である上海の虹橋において「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」が2018年9月19〜23日に開催された。会場周辺で、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes)は、同年9月19〜20日まで「Manufacturing in the Age of Experience」を開催した。筆者は、ダッソーユーザーとして、また3D CAD推進者であり、製造業に関わる一人としてそこに参加した。

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 「世界の工場」と呼ばれる中国であり、また世界有数の国際都市である上海の虹橋において「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」が2018年9月19〜23日に開催された。会場周辺で、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes、以下「ダッソー」)は、同年9月19〜20日まで「Manufacturing in the Age of Experience」を開催した。筆者は、ダッソーユーザーとして、また3D CAD推進者であり、製造業に関わる一人としてそこに参加した。

※文中の和訳は筆者によるもの。

 前回まで、Manufacturing in the Age of Experienceの会場内で披露していたインタラクティブワークショップを紹介をした。今回は、ダッソーユーザーによる事例講演からトピックを紹介する。


CUSTOMER STORIES(撮影:筆者)

単なるシステムの導入ではない、先端企業のIT

 ヴェスタスは、「再生可能エネルギー」である風力発電のための風力タービンの開発・設計・製造・設置・維持管理を世界各国で手掛ける企業であり、世界に製造拠点20箇所を有するグローバル企業である。本社はデンマークにある。


Chiristian Necklmann Reventlow,Head of Vestas Manufacturing Systems:ヴェスタス ヴェスタスマニュファクチャリング・システムズ責任者 クリスチャン・ネッケルマン・レベンロー氏(左)撮影:筆者

 今日の企業は、「ACCELARATION(加速)」「BE FLEXIBLE(柔軟である)」「BE AGAILE(敏捷:びんしょう)である」といった要素が求められていると同社はいう。それを実現するために、製造拠点を結ぶシステムによって、各地にある複数の拠点を1つの現場のように運用・管理を行えるようにして、バリューチェーンの最適化を行っていく必要がある。そのためにダッソーのシステムを導入。今後、長期的に企業成長を続けるための自社の課題を解決するための俊敏さや強さを得たとの話だった。

 北京神舟航天軟件技術有限公司(BEIJING SHENZHOU AEROSPACE SOFTWARE TECHNOLOGY:SENRUAN)は、航空宇宙産業の国有企業である中国航天科技集団有限公司(以下、CASC)傘下にあり、CASCへのITサポートを行う専門企業である。


Mingli LV, Vice General Manager of Business 北京神舟航天軟件技術有限公司 副社長 呂 明理 氏  北京神舟航天軟件技術有限公司紹介 撮影:筆者

 2018年1月9日、CASCとダッソー は、戦略的提携に関する契約を締結していることから、SENRUANによって、3DEXPERENCEプラットフォームが構築されていくものと考えられる。

 中国製造2025により「世界の製造強国入り」を目指す中国と、産業のルネサンスを掲げるフランスの企業により、両国間の技術的・経済的協力の強化に向けた取り組みが始まっている。CASCは、CIIF2018にも出展していた。


CIIF2018より中国航天科技集団有限公司展示ブース 撮影:筆者

 上の2企業は、ダッソーと強固なパートナー関係にあるという。システム導入とは、単にツールを入れるということではなく、「ビジネスプラットフォームを構築すること」。故に知識・経験に優れた企業とのパートナーシップが必要ということであった。

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