工場の「つながる化」を可能とする「管理シェル」とは何か:インダストリー4.0(3/4 ページ)
ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)の“IoTによる製造ビジネス変革WG(WG1)”では、ドイツが進めるインダストリー4.0において、データ連携を実現する重要なカギとされている「管理シェル」について調査を行い、これを解説する調査報告書をリリースした。本稿ではこの概要を紹介する。
インダストリー4.0コンポーネント間の通信
インダストリー4.0コンポーネント間のやりとりの例として、属性や条件などに応じた「交渉」がある。製造工程間でのインダストリー4.0コンポーネントで製造工程についての質問が発生した場合、その質問は複数の質問に分解され、管理シェルの個々のサブモデルを通じて回答することになる。この個々のサブモデルに向けて「確認」や「要請」などが用いられる。
管理シェルの置き場所
管理シェルはオートメーション機器内に置く場合もあれば、クラウド環境内に置く場合もある。アセットそのものの在り方が多様であるため、その置き場所もそれぞれに最適な場所に設置する必要がある。例えば、ネジなどの場合は静的情報源としてファイルで置くケースもある。フィールド機器にそのまま搭載する場合や、複数の機器と接続するゲートウェイ上に設置する場合もある。さらにネットワーク接続が前提となるがクラウド上に置くケースなども想定されている。
ドイツでインダストリー4.0におけるスマートファクトリーの実証や研究を行うSmartFactoryKLではこの管理シェルの置き場所について「概念的には、管理シェルを制御レベルとその上にあるIT系の層の間に置き、オートメーション技術とITシステムのゲートウェイを形成すべきである」としている。
SmartFactoryKLでは、計測モジュール内の情報を、時間が経過しても変わらない「静的データ」、状況監視や予知保全に必要な動的な「状況データ/ログ」「プラグ&プロデュースのデータ」に分けて記録したという。
管理シェルの活用イメージ
プラットフォームインダストリー4.0では2018年8月に「管理シェルの詳細」を発表しているが、その中で管理シェルのユースケースが紹介されている。
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