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ギアボックスで見る、デジタル製造一気通貫3D設計推進者が見た中国製造業とデジタル変革(2)(2/2 ページ)

「世界の工場」と呼ばれる中国であり、また世界有数の国際都市である上海の虹橋において「第20回 中国国際工業博覧会(CIIF2018)」が2018年9月19〜23日に開催された。会場周辺で、ダッソー・システムズ(Dassault Systemes)は、同年9月19〜20日まで「Manufacturing in the Age of Experience」を開催した。筆者は、ダッソーユーザーとして、また3D CAD推進者であり、製造業に関わる一人としてそこに参加した。

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 「MOM Work Flow:Manufacturing Operation Management」(製造オペレーション管理)のプロセスは以下である。


Manufacturing Operation Managementのフロー

 「Integrated Quality Management」(統合品質管理)では、製品の品質仕様を満足するために、3Dデータを用いて上流工程へフィードバックする。


Integrated Quality Managementのフロー


3Dデータ上で品質問題を確認し、上流工程へフィードバックする

 「Model Based Manufacturing」(モデルベース製造)では、製造工程のシミュレーションや監視方法について説明した。

 実際の工場をデジタルスキャニング、点群データとして3D空間上に取り込み、新たに投入する機械のレイアウトの検討を行うことや、製造工程における作業性のシミュレーションを実施する。VR(仮想現実)による組立作業の検証も含まれる。


実際の向上をスキャニングする機材:ドイツNavVis社 屋内3Dマッピング&ナビゲーション プラットフォーム

3D空間上にマッピングされたレイアウト

女性の作業性をシミュレーションしている。高いところに手を伸ばすレイアウトは適切ではないとSimulation結果を得た。

VRでの組立作業の検証を行う

 「IIoT & Manufacturing Analysis」(インダストリーIoTと製造分析)は、製造工程のパフォーマンスを向上させる取り組みを実施する。最後は、いよいよギヤボックスを製造する。


IIoTによりシミュレーション結果と実態を比較することで、製造工程のさらなる最適化を図る

ギヤボックスの製造シーン

 これまでお伝えしたようなビジネスプラットフォームにより、製造業の生産性効率は確実に向上するはずであり、中国製造2025を進める中国企業が採用していくことにより、製造強国のTOPになる可能性は非常に高いと考える。(次回へ続く)

取材協力:ダッソー・システムズ

Profile

土橋美博(どばし・よしひろ)

1964年生まれ。25年間、半導体組み立て関連装置メーカーで設計・営業・3次元CAD推進を行う。現在、液晶パネル製造装置を主体に手掛ける株式会社飯沼ゲージ製作所で3次元CADを中心としたデジタルプロセスエンジニアリングの構築を推進する。ソリッドワークス・ジャパンユーザーグループ(SWJUG)の代表リーダー・事務局も務める。



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