2020年までのクライアント向けCPUのロードマップを発表:組み込み開発ニュース
Armは、モバイル端末やラップトップPC向けCPUの今後のロードマップとパフォーマンス値を発表した。これらのクライアント向けCPUは、2020年までの間に演算性能が前年同期比15%以上、向上するとしている。
Armは2018年8月16日、モバイル端末やラップトップPC向けCPUの今後のロードマップとパフォーマンス値を発表した。これらのクライアント向けCPUは、2020年までの間に演算性能が前年同期比15%以上、向上するとしている。
同社はこの5年間、最新のCPU設計を毎年継続して導入。その結果、2013年以降は、クロック当たりの命令数(IPC)性能が毎年2桁成長を達成している。
その事例として、同社が同年5月に発表した「Cortex-A76」は、前世代比で35%性能が向上している。7nmノードSoC(System on Chip)の基礎となるCPU IP(設計資産)だが、後継製品の「Deimos」を2018年内に提供する予定だ。Deimosは、Arm DynamIQテクノロジーをベースとし、7nmノードに最適化され、演算性能は15%以上向上する。
また、2019年には、DynamIQベースで5nmと7nmの両方のノードに最適化した「Hercules」の提供を予定している。5nmノードでは、演算性能の向上に加え、消費電力と実装面積を10%効率化する。
さらに、5Gの常時起動/常時接続など高性能化するラップトップPC市場を見据えて、「Arm ArtisanフィジカルIPプラットフォーム」と「Arm POP IP」では、さまざまなノードや世代に対応する。現在、Arm POP IPは、ラップトップクラスのパフォーマンスをCortex-A76の7nm SoCでサポート。従来のx86プロセッサの約半分の消費電力で、最大3.3GHzのクロック速度を達成できる。
Armでは、今回のロードマップを通じて、モバイルおよびラップトップの性能向上を加速させるとしている。
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