ロボット普及は黎明期、利活用の壁を破る手段と国際大会の開催:RRI WG報告会2018(後編)(3/3 ページ)
ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)は2018年6月14日、都内で3つのワーキンググループ(WG)の活動報告会を開催した。後編では「ロボット利活用推進WG(WG2)」と「ロボットイノベーションWG(WG3)」の活動を紹介する。
ロボット技術の革新に挑むロボットイノベーションWG
ロボット技術の革新に挑むロボットイノベーションWG(WG3)はロボット技術そのものの革新への取り組みを推進するWGである。ロボットメーカーなどが参画する企業メンバーが58社、その他工業会や有識者などが参加し108の会員が参加する。
WG3は3つのサブWG(サブワーキンググループ)での活動を推進する。ロボットの機能要素を共通化しプラットフォームとすることを目指す「プラットフォームロボットSWG(SWG1)」と、ロボットの安全を確保する「ロボット活用にかかわる安全基準/ルールSWG(SWG2)」、国内発のロボット国際競技大会である「World Robot Summit」の実現を目指す「ロボット国際競技大会SWG(SWG3)」である。
誰でも使えるロボットプラットフォームを開発
SWG1では、プラットフォーム化によるロボットの普及促進に取り組む。ハードウェアプラットフォーム、ソフトウェアプラットフォームの仕様をある程度固め、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトとして2017年度は事業化を推進した。
ロボットを安全に使える環境を作る
SWG2では、ロボットを安全に使えるルール作りやガイドライン提示を推進。ロボット導入実証事業に採択された事業者にガイドラインを提示し適用してもらい、フォローアップ調査などを実施した。2017年度も同様の取り組みを推進。2020年に向けたアクションプランであるロボット社会実装プロジェクト「改革2020」の実現に向け、必要に応じたガイドラインの見直しを進めていくとしている。
国際競技大会「World Robot Summit」の実現
SWG3は日本発の独自ロボット競技大会の成立を目指したWGである。2016年度に「World Robot Summit」とする大会の名称、ロゴ、開催時期、開催場所、各競技種目の概要、プラットフォームロボット、資金管理団体を決定。2017年度は成立に向けてさまざまな告知活動などに取り組んだ。2018年10月には都内の東京ビッグサイトでプレ大会が開催される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「全体最適」と「外部連携」がテーマ、“日本版第4次産業革命”推進のRRI
ロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)は2018年6月14日、都内で3つのワーキンググループ(WG)の活動報告会を開催。「全体最適」を実現するシステム思考の重要性や、海外との連携、工場外の最適化への取り組みなどを重点領域に挙げた。 - 第4次産業革命が生みだす「つながる産業」、3つのWGが目指すもの(後編)
ロボット革命イニシアティブ協議会は2017年6月に3つのワーキンググループの活動報告と2017年度の取り組み方針について紹介した。本稿では「ロボット利活用推進WG」と「ロボットイノベーションWG」の活動について紹介する。 - 「つながる産業」は進撃の合図か、経産省が考える日系製造業の現在地
第4次産業革命といわれるIoTなどを活用した産業変革が加速している。この新たな波を捉えるべく各国政府の取り組みが進む。日本でも2017年3月に「Connected Industries」を発表。さらにドイツとの間では「ハノーバー宣言」で連携強化を図る。これらの動きに関わってきた経済産業省 製造産業局局長の糟谷敏秀氏に日本の製造業の現在地を聞いた。 - 乗るしかない、この第4次産業革命というビッグウエーブに
本稿では、第4次産業革命という言葉の持つ意味、第4次産業革命を推し進める「デジタライゼーション」と「デジタルツイン」、第4次産業革命で重要な役割を果たす世代、そして第4次産業革命において日本の持つ可能性などについて解説する。 - 日本版第4次産業革命が進化、製造含む5つの重点分野と3つの横断的政策(前編)
経済産業省は2017年3月に発表した日本版の第4次産業革命のコンセプトである「Connected Industries」を進化させる。より具体的な取り組みを盛り込んだ「Connected Industries 東京イニシアティブ 2017」を新たに発表した。本稿では2回に分けてその内容をお伝えする。 - 「第4次産業革命」に抵抗感? 調査で分かった日本の製造業の本音
IoTやAIなどを活用する「第4次産業革命」の動きが活発化している。しかし、国内外の企業を調査したアンケートでは、日本の製造業はこの革命に積極的な姿勢を見せているとは言い難い。いわば、第4次産業革命に対してやや及び腰になっているといえる。 - 第4次産業革命って結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第1回目はそもそもの「第4次産業革命とは何か」を紹介します。