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トレーサビリティーが問われる今だからこそ考えるべき調達の問題モノづくり最前線レポート(1/2 ページ)

SAPジャパンは、2018年8月1日に「SAP Ariba Live Tokyo」を東京都内で開催した。“Procure with Purpose”(目的意識・意義を持った調達)をテーマに、企業におけるサステナビリティの重要性と、調達・購買部門の社会的役割および貢献を中心に最新ソリューションやユーザー事例を紹介。また「購買活動の真なる目的とは?」をテーマにパネルディスカッションを行った。

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 SAPジャパンは、2018年8月1日に「SAP Ariba Live Tokyo」を東京都内で開催した。“Procure with Purpose”(目的意識・意義を持った調達)をテーマに、企業におけるサステナビリティの重要性と、調達・購買部門の社会的役割および貢献を中心に最新ソリューションやユーザー事例を紹介。また「購買活動の真なる目的とは?」をテーマにパネルディスカッションを行った。

 このパネルディスカッションには、SAPジャパン バリューパートナーの小野寺富保氏、JXTGエネルギー 執行役員 購買部長の染谷喜幸氏、日東電工 調達統括部部長の西岡健夫氏、ライオン コミュニケーションデザイン部 CXプランニング室マネジャーの志水弘樹氏が参加した。本稿ではこのパネルディスカッションの内容をお伝えする。

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「SAP Ariba Live Tokyo」でのパネルディスカッション「購買活動の真なる目的とは?」の様子

モノを買うからこそ見えるバリューチェーン

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SAPジャパン バリューパートナーの小野寺富保氏

 SAPジャパンの小野寺氏は調達・購買業務について「従来はコスト削減や支出統制など業務効率化が中心となってきた。一方で、反社会的行為、違法行為を排除したかたちで、サプライヤーを選定する活動も重要性が高まっている」と最近の傾向を紹介。サプライチェーン全体での価値が問われる時代に入ったことを強調した。

 さらに「こうしたCSR(企業の社会的責任)の観点での活動を軽んじていると、サプライヤーサイドの問題が、自社の問題に波及するケースがある。結果として、自社製品の不買運動などにつながり、売り上げに影響する。また、サプライヤーとの連携で地域の活性化などの活動を行う新しい取り組みも行われている。これはCSV(共通価値の創造)と捉えられる。調達・購買活動はCSR、CSVもある。これらに関する活動などを含めてPurpose(目的意識、意義)と呼んでいる」と説明した。

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JXTGエネルギー 執行役員 購買部長の染谷喜幸氏

 続いて、登壇各社がそれぞれの調達・購買活動の現状を紹介した。2017年4月に東燃ゼネラル石油を吸収合併して発足したJXTGエネルギーの染谷氏は「Purposeという面では、新会社ということもあり『購買部門をどうするか』ということに根本的に取り組んでいるところである。オペレーショナルな仕事に終始するのではなく、持続的にコスト削減ができるような戦略部門としたい。また、CSR調達がまだできていないことから、2018年中には加速して完成させたい。会社として社会的な使命を果たすということは、自社のことだけでなく、サプライチェーン、バリューチェーンなど全体の流れの中で考える必要がある。モノを買う部門がそれをしっかり見ていくことが必要だ」などと述べた。

 日東電工の西岡氏は「調達統括部として、単純なコスト削減ではなくCSR、BCP(事業継続計画)、グリーン調達などさまざまな観点に立ちながら最適に対応する考え方が必要だ。これは業務改革に密接に関係しており、大きな目線で取り組む必要がる。これまでのやり方の継続では限界がきている」と考えを述べた。

 また「業務改革では社内の抵抗があるのでは?」という質問に対する回答として、「システムで考えた時、今までは自分たちの都合に合わせて、システムを組んできたが、それが限界となりつつある。最新技術に適応するのに毎回コストもかかる。こうした背景があり、今はグローバル標準、ベストプラクティスにわれわれが合わせるという視点で取り組んでいる。現在は過渡期だ。その業務改革に対して(抵抗の意思が強く)一番手ごわいのが日本だというのが現実だ。しかし、しっかり形ができればうまく回るのも日本であり、まず日本から進めている。意識改革を含めての業務改革となると考える」と語った。

 ライオンの志水氏は「旧来のやり方は限界を迎えており、われわれも改革を進めている。どちらかといえば働き方や業務の改革が主となり、マーケティング部門(広告・宣伝部)から導入することが決まった」とした。さらにマーケティング部門が取り組む理由について、「国内はこれ以上業績を伸ばすのは厳しいこともあり、利益を上げるにはまずコストを削減することが必要となる。しかし、人を減らすことはできないので、この両面を解決するために、マーケティングとして、中期的に効果があるもの、そうでないもの判断して全体貢献を目指すことになった」と説明した。

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