グーグルがエッジデバイスにもAIチップを展開、推論実行に特化した「Edge TPU」:人工知能ニュース(2/2 ページ)
グーグル(Google)は、米国サンフランシスコで開催したGoogle Cloudのユーザーイベント「Google Cloud Next 2018」の発表内容について説明。同イベントの発表で製造業が最も注目したのは、エッジデバイス上で機械学習モデルの推論実行を効率良く行うためのASICチップ「Edge TPU」の提供だろう。
「エキスパートから中級者、初心者まで機械学習を扱える」
Edge TPUやCloud IoT Edgeと関わりの深い機械学習とAI関連の機能も多数追加された。
TensorFlowをはじめとするオープンソースの機械学習フレームワークを扱うには、Pythonなどの言語を習得する必要がある。このコンピュータ言語を習得することなく機械学習モデルを開発できるのが「Cloud AutoML」だ。
Google Cloud Next 2018では、Cloud AutoMLのβ版として3つの機能が発表された。画像を扱える「Cloud AutoML Vision」、自然言語処理が可能な「Cloud AutoML Natural Language」、独自のカスタム翻訳モデルを作成する「Cloud AutoML Translation」である。
また、TensorFlowとCloud AutoMLの中間に位置する機械学習モデル開発のソリューションとして「BigQuery ML」を発表した。データベース構築に用いられているSQLの知識を前提としており「エキスパートから中級者、初心者まで機械学習を扱えるようになった。全てのユーザーにとって機械学習を身近に感じてもらえるのではないか」(佐藤氏)という。
これらの他、第2世代のTPUである「TPU v2」を用いた機械学習のクラウドサービス「Cloud TPU v2 Pod」、第3世代のTPU「TPU 3.0」ベースの「Cloud TPU v3」のα版提供も発表している。
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