空調のHUBを目指すダイキン、6社合同で「未来のオフィス空間」づくりへ:製造業IoT(1/2 ページ)
オカムラ、ソフトバンク、ダイキン工業、東京海上日動火災保険、三井物産、ライオンの6社は、ダイキン工業が同年2月に発表した協創プラットフォーム「CRESNECT」を共同で進めていくことで合意。6社が参画する第1弾プロジェクトは「未来のオフィス空間」づくりで、2018年内に東京23区内のワークスペースを用いた実証実験を始める。
オカムラ、ソフトバンク、ダイキン工業、東京海上日動火災保険、三井物産、ライオンの6社は2018年7月30日、東京都内で会見を開き、ダイキン工業が同年2月に発表した協創プラットフォーム「CRESNECT(クレスネクト)」を共同で進めていくことで合意した。6社が参画する第1弾プロジェクトは「未来のオフィス空間」づくりで、2018年内に東京23区内のワークスペースを用いた実証実験を始める計画。2020年末をめどに、実証実験の結果を基にした事業化時期を判断していく考えだ。
「CRESNECT」第1弾プロジェクトに参画する6社の代表。左から、オカムラ 取締役 マーケティング本部長の荒川和巳氏、ソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏、ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏、東京海上日動火災保険 理事 関西営業第三部 部長の船橋直靖氏、三井物産 執行役員 ICT事業本部長の齋藤正記氏、ライオン 研究開発本部 企画管理部長の田中孝祐氏(クリックで拡大)
今回のプロジェクトでは「より効率的に働けるオフィス空間」「より創造的に働けるオフィス空間」「より健康的に働けるオフィス空間」などのテーマを検証できるように、複数の空間コンテンツを導入したワークスペースを東京都心部のオフィスビルに開設する。空調、照明、音響、香り、家具などの設備環境だけでなく、さまざまなオフィスシーンに合わせてデザインした空間を設け、そこで働く人々の快適性、生産性、健康などに関わるデータを収集しながら、コンテンツの効果検証や新たなコンテンツ創造を行う。また、実際にワークスペースの利用者のフィードバック情報を活用し、空間コンテンツの高度化を図る。
2018年内に開設する2カ所を皮切りに、東京23区内のターミナル駅付近のオフィスビルで実施する。ワークスペースに入居する企業は6社以外から募っているという。
「空間のHUB」を目指すダイキン
ダイキン工業は2018年2月、空調機から得られるデータを活用して新たな価値やサービスを生み出していく協創プラットフォームとしてCRESNECTを発表。このCRESNECTが6社の取り組みの基盤となっている。ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏は「CRESNECTからどのようなソリューションを生み出せるかを検討していく中で、空調機の情報端末(HUB)化とセンサー設置によるオフィス空間のIoT(モノのインターネット)化により、未来のオフィス空間づくりが可能になると考えた」と語る。
同社は、見通しの良い天井に設置される空調機の場所の優位性や、空調設備の制御技術、空気環境の技術、ヒトのセンシングといった観点で「空間のHUB」になり得ると想定している。「働き方改革と関わるオフィス空間にはさまざまなソリューションが存在している。そんな空間全体にまたがるサービスは1社単独で提供できない。各社の専門領域を掛け合わせることが最善策だ。CRESNECTは、そのための業界の垣根を超えた枠組みとなる」(米田氏)。パートナーには「業界をリードする先進性」「自らリスクテイクするリソース提供」「本気で進めるためのスピード」を求め、ダイキン工業を含めた6社が、第1弾プロジェクトである未来のオフィス空間づくりに取り組むこととなった。
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