ユニバーサルロボットが協働ロボットを10年ぶりに全面改良、性能強化項目は4つ:協働ロボット(1/2 ページ)
ユニバーサルロボットが協働ロボットの新製品「eシリーズ」について説明。10年ぶりの全面改良となるeシリーズは、同社の協働ロボットが評価されてきた「迅速なセットアップ」「柔軟な配置」「簡単なプログラミング」「安全性」の4項目をさらに強化したものとなる。
ユニバーサルロボット(Universal Robots、以下UR)は2018年7月13日、東京都内で会見を開き、協働ロボットの新製品「e-Series(eシリーズ)」について説明した。現行品の「CB3シリーズ」は2008年発表の最初のモデルから、構造やソフトウェアの大幅な変更は行わずにラインアップを拡充していたが、今回のeシリーズは10年ぶりの全面改良となる。2018年8月1日から出荷を開始する予定。納期は欧州では5日間を目安としているが、日本向けは輸送や検品のため3〜4週間となる。価格は非公開で、販売代理店に要問合せとなっている。
UR 北東アジア担当ゼネラルマネージャーの山根剛氏は「URは、約10年間で協働ロボットを累計2万5000台出荷した。この拡大を続ける協働ロボット市場の中心にいるのがURだという自負がある」と語る。URの2017年の売上高は前年比72%増の1億7000万米ドルとなり、世界全体の協働ロボット市場で約60%のシェアを獲得しているという。世界15カ国に22の拠点を設け、従業員数は500人を超えた。販売パートナーは約300社で、日本では9社と契約している。
調査会社のBis Research Analyticsによれば、2017年の協働ロボット市場は2億8300万米ドル。5年後の2022年までに年平均63.33%で成長を続け、32億6900万米ドルに達すると予測している。「URの現在のシェアは約60%だが、2022年以降も50%以上のシェアを維持していく考えだ。新製品のeシリーズはそのためにも需要な役割を果たす」(山根氏)という。
URの協働ロボットが成長を続けてきた理由は、販売を自社で行わないパートナー戦略や、ロボットアーム以外のグリッパーやセンサーなどのオプションをオープンなエコシステムで構築する「UR+」などがある。しかし、最大の特徴は「迅速なセットアップ」「柔軟な配置」「簡単なプログラミング」「安全性」という、顧客が協働ロボットに求める仕様を満たしているところになる。
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