オープン? クローズ? ゲームチェンジに必要な考え方:モノづくり最前線レポート(1/2 ページ)
製造現場や生産管理の先進化や効率化を目指す展示会「スマートファクトリーJapan 2018」(2018年5月30日〜6月1日、東京ビッグサイト)の記念講演にEDOアドバイザーで、東京大学 政策ビジョン研究センター シニアリサーチャーの小川紘一氏が登壇。「IoT時代の日本企業が目指すべき方向」をテーマに、ゲームチェンジ(ビジネスの技術的変革)が起こるメカニズムを多くの事例で解き明し、日本企業の向かうべき方向性を訴えた。
製造現場や生産管理の先進化や効率化を目指す展示会「スマートファクトリーJapan 2018」(2018年5月30日〜6月1日、東京ビッグサイト)におけるスマートファクトリーAWARD2018記念講演にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)アドバイザーで、東京大学 政策ビジョン研究センター シニアリサーチャーの小川紘一氏が登壇。「IoT時代の日本企業が目指すべき方向」をテーマに、ゲームチェンジ(ビジネスの技術的変革)が起こるメカニズムを多くの事例で解き明し、オープン&クローズ戦略やアーキテクチャ思考、モノから発生するデータの利活用(サービス価値の創出)という視点から日本企業の進むべき方向性を示した。
日系製造業の強みと弱み
小川氏はまずIoT(モノのインターネット)時代に日本企業が目指すべき方向として「モノづくりやモノ売りから、オープン&クローズ戦略とデータ利活用へ」をキーワードとして挙げる。
この背景として、第4次産業革命ともいわれる、100年に1度の経済変革の動きがある。変化の中で既に成功を収めている企業は「論理体系の産業化」や「アーキテクチャの転換」「エコシステム型産業構造の構築」「オープン&クローズ型戦略」「モノのサービス化」などに対応しているところが多い。小川氏は「今までと同じ考え方ではダメだということだ」と変革が必要であることを強調する。
コンポーネント空間とアーキテクチャ空間、フィジカル空間とサイバー空間、デジタルプラットフォームによる支配など、価値形成の基盤が分散化する方向にあるが、その根幹でデータを発生し続けるのは「モノ」であり、そういう意味ではモノづくりで強みを持つ日系製造業が有利なポジションを確保していることになる。
さらに、世界中が新たなイノベーションモデルを訴え、再構築を進めている中で、日本ではサイバー空間とフィジカル空間をデータでつなぐことを目指した新産業構造ビジョン「Society5.0」が政府により進められているという点も優位性につながるという。
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