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NECが訴えるモノづくりデジタル変革、AIの活用範囲拡大DMS2018(1/2 ページ)

NECは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展し、モノづくりデジタル変革において得られる価値を訴えた。

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 NECは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展。AI(人工知能)の活用領域拡大など、モノづくりデジタル変革において得られる価値を訴えた。

モノづくり共創の場を訴求

 AIやIoT(モノのインターネット)の活用は、製造業の実業務に組み込むことを考えると、1社では実現できないことが多い。そこで、NECでは2018年6月14日に次世代モノづくりを具現化する共創型体験スペース「NEC DX Factory」をNEC玉川事業場内に開設したことを発表※)。DMS2018では、この「NEC DX Factory」で披露したデモ設備をそのまま持ち込み、大きく展示を行い、モノづくりにおけるデジタル変革の体験を訴えた。

 NEC ものづくりソリューション本部 兼 サプライチェーン統括本部 技術主幹の北野芳直氏は「実際に製造ラインの形で稼働させて、AIや画像認識などの技術を見てもらうことで具体的なイメージを持ってもらえる」と価値について述べている。

※)関連記事:スマート工場の理想像をみんなで描く、NECが共創型体験施設を開始

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DMS2018のブースに出展した「NEC DX Factory」の設備。多くの来場者でにぎわっていた(クリックで拡大)

製造業の業務プロセスでのAI利用領域を拡大

 出展の中で特に目立ったのが、AIの利用領域の拡大である。NECでは「NEC the WISE」としてAI技術群を展開するなど、独自のAI技術で強みを持っている。これらの技術力を生かし、製造業の業務プロセスに当てはめた形でのAI提案が目立った。

 その1つがPLMソリューション「Obbligato III」でのAIの活用である。Obbligatoシリーズは設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLMソフトウェアだが、新製品ではNECの最先端AI技術である「RAPID機械学習」を活用し、ベテラン設計者の勘と経験を吸収し、経験の浅い技術者を支援する機能を追加する。

 具体的には、製品設計において、一部で過去の設計情報を流用しようとする際に、AIが必要な設計情報をレコメンドしてくれるという機能だ。2019年から機能搭載する予定だとしている。

 ベテラン設計者が設計する際の行動ログを学習データとし、最適なレコメンドを行えるようにする。例えば「ある製品を設計する際に、こういう部品や製品の設計情報を参照している」という行動などを蓄積する。学習期間はログがある場合で3〜4カ月で、ログがない場合はもう少し長くなるという。

 「設計者にとって、設計の複雑化や業務の多重化などで負担が高まっている。また、過去の設計情報などを探す時間などが意外に多く負担になっているという話もある。ベテラン設計者のノウハウを生かすことで、設計負担を軽減できるだけでなく、技能伝承などにも貢献する」(ブース説明員)としている。

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Obbligato AI Optionの画面イメージ。レコメンドと検証度などが表示される(クリックで拡大)出典:NEC

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