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思ってるだけじゃ足りないの、伝えることで広がる人とロボットの協調の世界ハノーバーメッセ2018

ドイツのFestoは、ハノーバーメッセ2018において、人の動態情報を伝えることでロボットと円滑に協調できるコンセプト展示「BionicWorkplace」を披露した。

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 ドイツのFestoは、ハノーバーメッセ2018(2018年4月23〜27日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、人の動態情報を伝えることでロボットと円滑に協調できるコンセプト展示「BionicWorkplace」を披露。人と機械の共同作業の将来像を示した。

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Festoが出展した人とロボットの協調の将来像を示した「BionicWorkplace」(クリックで拡大)

人とロボットの協調の将来像

 人とロボットが協調して働く協働ロボットは、自動化領域の拡大への期待から大きな注目を集めている。ただ、協働ロボットといえば、ロボットと人間が作業する空間が共有されるようになることから安全性が注目されがちで、人が当たった時に安全に止まるかどうかということなどがトピックとなっていた。しかし、現実的に協働することを考えた場合、当たって止まるというのは効率が悪く、そもそも人間同士の共同作業ではありえない話である。従来はロボットが人の動きを把握するには技術的な障壁があり、そのために、把握できた時にはぶつかっているような状況がどうしても発生する。こうした課題を解決するために人の動きを徹底的にセンシングし、その情報をAI(人工知能)関連技術で分析することで、円滑な協働ができないかということを模索した取り組みが「BionicWorkplace」となる。

 「BionicWorkplace」は作業空間全体をさまざまな要素で構成している。中心となるのが協働ロボット「BionicCobot」である。「BionicCobot」は空圧式の軽量ロボットで人間の腕の解剖学的構造に似せていることが特徴だ。人間の腕の構造をまねているために柔軟で直観的な操作が可能となる。「BionicWorkplace」ではこの「BionicCobot」がネットワークを通じて多数の支援システムや周辺機器と一緒に動作することで、最適な作業を行う。加えてバックヤードでは人工知能や機械学習技術を活用し継続的な最適化を実現するという。

 作業者の正面には、プロジェクションスクリーンが用意され、さまざまなセンサーやカメラシステムの中での必要情報、作業員や部品、工具の位置などを常に記録し、必要があれば表示する。作業者は「BionicCobot」に直接プログラムとして指示を与えることも可能である一方、動きを触覚でそのまま伝えたり、音声指示によって伝えたりすることができる。カメラは3Dカメラが作業台に4台、ロボットに1台設置されている。その他、作業者のポジションを把握するためのカメラが作業台に4台設置されている。

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協働ロボット「BionicCobot」とプロジェクションスクリーン。必要情報が表示される。カメラは合計で9台が設置されている(クリックで拡大)

ウェアラブル端末で人作業をリアルタイムに把握

 共同作業の課題となる人の動きの把握については、画像だけでなくウェアラブルデバイスで把握する。慣性センサーを備えた長袖の作業服と赤外線マーカーが組み込まれた作業手袋で構成されており、これらから得られる情報を基に、BionicCobotは作業者の位置を高精度で把握し、ワークの手渡しなどを実現する。

 これらの画像およびウェアラブル端末からの情報は全てインテリジェントソフトウェアで集約して分析され、最適な作業を導き出す。これらで得られた情報から学習を重ね動的な成長を自動的に行っていく。さらに、VRゴーグルなどを組み合わせることでロボットの遠隔操作を行うことなども想定しているという。

photophoto 慣性センサーを設置した作業服風のウェアラブルデバイス(左)と赤外線マーカーが組み込まれた作業手袋(右)(クリックで拡大)

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