NECが国内工場再編計画を決定、2018年度内に一関事業所を閉鎖へ:製造マネジメントニュース
NECとNECプラットフォームズは、2018年度末をめどに、NECプラットフォームズ 一関事業所を閉鎖し、同事業所で生産していたSIPサーバやルーターの生産はNECプラットフォームズの他の事業所に移管する。茨城事業所におけるサーバ部品の保税倉庫・保守の機能もNECプラットフォームズの他の事業所に移管することとなった。
NECとNECプラットフォームズは2018年4月19日、同年1月に発表した「2020中期経営計画」で大枠を決めていた国内生産拠点再編の方針を決定したと発表した※)。2018年度末をめどに、NECプラットフォームズ 一関事業所(岩手県一関市)を閉鎖し、同事業所で生産していたSIPサーバやルーターの生産はNECプラットフォームズの他の事業所に移管する。また、NECプラットフォームズ 茨城事業所(茨城県筑西市)におけるサーバ部品の保税倉庫・保守の機能もNECプラットフォームズの他の事業所に移管することとなった。
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一関事業所の従業員数は約260人、茨城事業所の従業員は約30人。これらの従業員には、配置転換を勧めるとともに、地元での再就職を希望する場合には支援を行う。
閉鎖後の一関事業所の建屋や敷地の処遇については今後検討する。茨城事業所の倉庫機能については、同所で事業を行っている海外EMS企業のフレクストロニクス(Flextronics)が活用することになるという。
これまで一関事業所では、SIPサーバやルーターをはじめさまざまな品目を生産していた。今後は品目ごとに分けて、白石事業所(宮城県白石市)や福島事業所(福島県福島市)などに生産を移管する方針である。
NECは、2020中期経営計画において、「グローバルOne Factory」を掲げてスマートファクトリー化による生産性の向上を進める一方で、国内9工場の統合や閉鎖なども含めた効率化を推進するとしていた。一関事業所の閉鎖により、今後は国内8工場となる。また、「2020中期経営計画における国内生産拠点の再編では、今後、追加の統合や閉鎖は予定していない」(NECの広報担当)としている。
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