第4次産業革命を踏まえた秘密情報管理やリスク対策に関する調査結果を発表:製造マネジメントニュース
情報処理推進機構は「第4次産業革命を踏まえた秘密情報の管理と利活用におけるリスクと対策に関する調査」の結果を発表した。調査結果から、秘密情報管理上の新たなリスク・課題を挙げ、対策を提案している。
情報処理推進機構は2018年3月22日、「第4次産業革命を踏まえた秘密情報の管理と利活用におけるリスクと対策に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2017年9月〜2018年1月で、秘密情報の管理や利活用に取り組む企業20社と有識者にヒアリングを実施した。
第4次産業革命を見据えて情報の活用法についての重要性が増し、管理方法も多様化している。同調査は、秘密情報を管理する上での課題やリスクを抽出し、それらへの対策を調査することを目的に実施された。
調査結果から、秘密情報管理上の新たなリスク、課題として3項目が挙がった。
まず「秘密情報の統合と利活用」では、統合以前の段階で、情報区分と情報管理レベルの標準化が必要とする。統合後データの管理体系の再構築や、データ管理責任の所在を明確にして、情報区分を徹底することも対策として挙がっている。
「社外就労におけるテレワーク」では、就労についての柔軟な管理を情報管理の基礎とし、リモートアクセス機能やデバイスの整備、テレワークルールの徹底、人員の意識喚起を対策とする。
「クラウドの利活用」では、情報区分に基づいて、クラウドに格納できるデータを判定することに加え、格納データの可視化や防護策の導入が重要となる。クラウドを利用する際のルール策定や順守徹底など、運用面の対策も求められる。
他に、これらの対策を組織的に着実に進めるため、自社内に限らず広くサプライチェーン全体にわたる組織体制の整備が重要であるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 製造業のセキュリティリスクは急増中? 調査から見える現状
製造業の現場でIoT(モノのインターネット)の活用が進む中、これまでとは違うセキュリティの脅威にさらされる機会が増加している。トレンドマイクロが実施した法人組織のセキュリティ実態調査を踏まえて、製造業のセキュリティ対策の現状を探る。 - サイバー空間の脅威の変遷とその対策からIoTセキュリティを学ぶ
あらゆるモノがインターネットにつながるIoTがサイバー攻撃者にとっての新たな標的になりつつあります。本連載では、セキュリティを意識したIoTデバイス設計の勘所を解説します。第1回では、サイバー空間の脅威の変遷とその対策から、IoTセキュリティがどういうものかを考えます。 - 工場のネットワークセキュリティ対策とは?
インダストリー4.0や工場向けIoTなどに注目が集まっていますが、そもそも工場内のネットワーク環境は、どのように構築すべきなのでしょうか。本連載では、産業用イーサネットの導入に当たり、その基礎から設備設計の留意点などを含めて解説していきます。第5回では、工場のネットワークセキュリティ対策について解説します。 - 制御システムセキュリティの現在とこれから
制御システム技術者が知っておくべき「セキュリティの基礎知識」を分かりやすく紹介する本連載。最終回となる今回は、今までに述べてきた制御システムセキュリティの基礎的な考え方をまとめた上で、これから制御システムセキュリティの分野がどうなっていくのかについての考えを紹介する。 - 日本版第4次産業革命が進化、製造含む5つの重点分野と3つの横断的政策(前編)
経済産業省は2017年3月に発表した日本版の第4次産業革命のコンセプトである「Connected Industries」を進化させる。より具体的な取り組みを盛り込んだ「Connected Industries 東京イニシアティブ 2017」を新たに発表した。本稿では2回に分けてその内容をお伝えする。 - 「第4次産業革命」に抵抗感? 調査で分かった日本の製造業の本音
IoTやAIなどを活用する「第4次産業革命」の動きが活発化している。しかし、国内外の企業を調査したアンケートでは、日本の製造業はこの革命に積極的な姿勢を見せているとは言い難い。いわば、第4次産業革命に対してやや及び腰になっているといえる。