ANAの瞬間移動サービス「AVATAR」が起動、意識や思いを“遠くに届ける”:VRニュース(2/2 ページ)
ANAホールディングスが、ロボティクスやVR/AR、ハプティクス技術などを使って遠隔地の体験をリアルタイムで届ける“瞬間移動サービス”「AVATAR(アバター)」事業について説明。「飛行機でお客さまの体を“遠くに届ける”だけでなく、AVATARで意識や思いを“遠くに届ける”新たなサービスを提供していく」(同社社長の片野坂真哉氏)という。
4つのAVATARサービスのデモを披露
会見では、ANA AVATAR大分テストフィールドをはじめ実証実験を進めている4つのAVATARサービスのデモも披露された。大分の釣り堀での釣りを楽しめる「ANA AVATAR FISHING」、大分の海でのダイビングと海産物を手づかみで取る体験を楽しめる「ANA AVATAR DIVING」、沖縄の美ら海水族館の大水槽などを遠隔地から見ることができる「ANA AVATAR MUSEUM」、空港サービスをAVATARによって提供する「ANA AVATAR AIRPORT SERVICE」である。
ANA AVATAR FISHINGは慶應義塾大学の力触覚制御技術(関連記事:世界初の力触覚制御を実現した双腕ロボット、「固くて柔らかい」矛盾を解決)を、ANA AVATAR DIVINGはMELTIN MMIのロボットハンド技術を採用している。両者は、WonderFLYによるクラウドファンディングにも登録している。ANA AVATAR MUSEUMでは、東京大学大学院情報学環の暦本研究室と凸版印刷によるIoA(Internet of Abilities)を活用。ANA AVATAR AIRPORT SERVICEは、Suitable Technologiesのテレプレゼンスロボット「Beam Pro」を用いている。
2019年4月から提供されるAVATAR-INで利用可能なAVATARサービスとしては、ANA AVATAR AIRPORT SERVICEが想定される。既に、羽田空港の「Haneda Robotics Lab」(関連記事:羽田空港がサービスロボットの価値を世界に発信、参加17社は実力を見せられるか)と協力しての実証実験を進めていることや、Beam Proという商用利用できる製品がベースになっていることからだ。
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