最も大きな期待は「ミス防止」、モノづくり企業におけるデジタルツール活用調査:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
東京商工会議所が「モノづくり企業の現状・課題に関する調査」の結果を発表した。個別のシステムが必要となる製造現場では、開発・設計や営業・販売の領域と比較して、デジタルツールの活用が進んでいないことが分かった。
東京商工会議所は2018年2月27日、「モノづくり企業の現状・課題に関する調査」の結果を発表した。中小モノづくり企業におけるデジタルツールの活用状況や、課題などを把握するために実施したもの。無作為に抽出した東京23区内の製造業1万社を対象とし、そのうち1670の企業が回答した。
まず、国内主要工場で最も得意とする分野について尋ねたところ、「技術力・研究開発力」(25.9%)、「品質の維持・向上」(19.3%)、「小ロット対応」(17.9%)、「短納期対応」(12.3%)などが上位を占めた。
約6割の企業がエンドユーザー向け製品の企画・開発に関わっており、同所では、モノづくり企業が技術力を生かした企画・開発に関わる革新的な取り組みをしていると見ている。
一方、国内工場における課題としては、「営業力・販売力の維持・強化」(16.6%)や「取引先の拡大」(15.6%)、「新製品・サービス開発力維持・強化」(9.9%)、「技術力・研究開発力」(9.5%)などが挙がっており、自社製品の差別化や新規開拓を含む営業力強化が課題と感じている企業が多いことが分かった。「熟練技能者の採用・育成」(11.3%)など、人材面での課題を挙げる企業も多かった。
デジタルツール活用については、「開発・設計・デザイン」「営業・販売・業務プロセス」と比較して、「製造現場、生産・品質管理」の領域で活用が進んでいないことが分かった。その背景として、外販のパッケージシステムが多く存在する他の領域と違い、製造現場では個別のシステムが必要となることが考えられる。さらに製造現場では「データの分析」よりも「データの収集」の活用度が低く、手作業によるデータ入力など非効率な運用がなされていると同所は推測している。
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