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排気量2.0lクラスのTNGAは2018年投入、CVTが大幅進化エコカー技術(1/2 ページ)

トヨタ自動車は、排気量2.0l(リットル)クラスの新しいTNGA(Toyota New Global Architecture)パワートレインを発表した。

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トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー チーフエンジニアの山形光正氏

 トヨタ自動車は2018年2月26日、東京都内で会見を開き、排気量2.0l(リットル)クラスの新しいTNGA(Toyota New Global Architecture)パワートレインを発表した。

 エンジンは、2016年に先行して発表した排気量2.5lの直列4気筒直噴ガソリンエンジンでモジュール化した設計を基に排気量を2.0lとした。トランスミッションは新開発のCVTや6速MTの他、ハイブリッドシステム(THS II)と組み合わせる。

 TNGAパワートレインは、2021年までにエンジン9機種、トランスミッション4機種、ハイブリッドシステム6機種の合計19機種を投入する計画だ。2023年には搭載モデルの販売比率を日米欧中で80%まで拡大する。既に量産中の機種と今回発表したエンジンやトランスミッションを合わせると11機種にラインアップが増える。

 今回発表した排気量2.0lクラスのTNGAパワートレインは日本の他、中国や北米、南米、欧州で順次現地生産し、グローバルに展開していく。搭載モデルは2018年に投入する。

発表済みのTNGAパワートレイン
エンジン排気量 トランスミッション 備考
2.0l CVT 2018年投入
6速MT
THS II
2.5l 8速AT カムリ(※1)
THS II
3.5l(ツインターボ) 10速AT LS(※2)
マルチステージTHS II(FR用) LS、LC(※3)
THS II(排気量1.8l用)  
(※1)8速ATのみアルファード/ヴェルファイアにも採用。(※2)10速ATはV型8気筒5.0lエンジンとの組み合わせでLCにも採用。(※3)LS、LCともにHV車のエンジン排気量は3.5l。

CVTは発進用にギア搭載、発進加速が力強くスムーズに


TNGAで新開発のCVT(クリックして拡大)

 新開発のCVTは、ダイレクトでスムーズな走りの実現を最優先とした。トランスミッションの基本性能である伝達効率の向上やエンジンの高効率領域の活用、高応答変速を強化するため、機械損失の低減やワイドレンジ化、変速追従性の向上に取り組んだ。

 これまで、CVTはワイドレンジ化すると変速比のロー側とハイ側のベルトの伝達効率が悪化するため、ワイドレンジ化には限界があった。今回発表したCVTは、発進用にギアを採用することにより、ベルト駆動を変速比のハイ側にシフトすることでワイドレンジ化を実現。変速比幅は「排気量2.0lクラスとしてはトップ」(トヨタ自動車)となる7.5を達成した。

発進用にギアを採用することにより、従来のCVTのもたつき感の解消やワイドレンジ化を実現(クリックして拡大)

 発進時をギア駆動とすることにより、従来のアクセル操作に対して一瞬遅れるようなもたつき感も改善。加速時のギアとベルトの切り替えは、ATの湿式多板クラッチで培った技術を応用した。全開加速だけでなく、日常領域でも走りだしの軽さはMTの1速の加速に近いとする。

 発進用ギアの採用によりベルトの負荷が軽減、ベルトとプーリー部の小型化も実現した。ベルトの狭角化とプーリーの小型化により変速速度は従来比20%向上。AT並みの変速フィーリングを提供できるとした。


TNGAで新開発の6速MT(クリックして拡大)

 新開発の6速MTは、ハブやケースの薄肉化によって質量を従来比で7kg低減するとともに、リバース用シャフトの追加やニードルベアリングの廃止、ギアストッパ構造化などによって全長を従来比24mm短縮した。小型軽量化によって伝達効率は世界トップクラスを達成したとしている。クラッチやシフトの操作に合わせて変速時に自動でエンジン回転数を合わせる制御も採用。変速時のショックを低減する。

 排気量2.0l用のハイブリッドシステムは、現行のプリウスに採用した小型軽量化・低損失化の技術を継承させ、燃費性能と走行性能を両立させた。従来のシステムはアクセルの開度に対してエンジン回転数が上がり過ぎてしまい、加速感と合わないエンジン音がノイズとして捉えられていた。新開発のシステムはエンジンの初期回転を下げてリニアに上昇するようにし、駆動用モーターのアシストを増やすことで、加速とエンジン回転数の伸び方をそろえた。

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