パッションあふれる作品が見てみたい、ガレッジニアで優勝すればアメリカ行き! ――「ETロボコン2018」:ETロボコン(2/3 ページ)
ETロボコン2018では自由な開発テーマで作品を募る「ガレッジニア部門」をもっと盛り上げていくため、実行委員会メンバーたちは身体を張る。おなじみデベロッパー部門では、前大会でも予告されていたように走行体の仕様の一部に変更がある。ET2018では、IoTをテーマとした新しいコンテストも始まる。
ETロボコン2018、ガレッジニア部門にもっとパッションを!
まず今回は、自由開発部門である「ガレッジニア部門」に力を入れる。同部門は今回で2回目の開催となる。2017年大会は18チームが参加。初代優勝者となったのは日立産業制御ソリューションズの「追跡線隊HiICSイエロー」だった。お店のお客さんにショッピングカートがいそいそとついてくる、手ぶらショッピングを実現できる仕組みだ。
さらに今回は30チームの参加を目指す。「2017年大会では、技術の裏付けはしっかりしているものの、パッション(情熱)が少なかった。今回は『ばかばかしいのに、技術的な裏付けがある』『よく分からないけど、面白そう!』と感じるような、もっとパッションのある作品を期待したい」(ETロボコン実行委員会 共同企画委員長、アフレル 代表取締役社長 小林靖英氏)。
実行委員会としても、ガレッジニア部門をより盛り上げるためにいくつかの施策を実施する。まずは実行委員会自身がガレッジニア部門にオープン参加(審査対象にはならない)し、身を挺して「パッション」や「面白い」を追求する。「われわれは、やりますよ!」と小林氏は意気込む。
さらに今回、優勝チームに豪華な副賞を用意する。2019年1月に米国ネバダ州ラスベガスで開催する、消費者向けエレクトロニクス 展示会「CES 2019」への招待だ。「過去の日本の歴史では、海を渡ったものが未来を切り開いてきた。海外の現場で、新しい創造性やワクワクを体験してもらい、若者のパッションに火を点けたい」と小林氏は話す。「最近は、海外に興味がない学生が増えている。理由は『現地に行かなくてもネットに情報があるから』だという。日本は住み心地がよいこともあり、海外に興味がないのかもしれない。しかしこのままでは“井の中の蛙”になってしまう。若い人にこそ、CESに行ってほしい。世界を見ると、人はとても変わる」。
特別審査員は2017年と同様に、スタートアップ企業やメーカーの新規事業担当、ガジェット研究者など“豪華な面々”を予定し、パッションに火を点けるようなワークショップも開催するという。
ETロボコン2018のデベロッパー部門は「新技術への挑戦」
ETロボコン2018のデベロッパー部門における変更点の1つは、2017年大会で既に予告があったように、走行体の仕様の一部に変更があることだ。プライマリー・クラスとアドバンスト・クラス、両方の走行体が変更の対象だ。具体的には、まずタイヤが変更される。これまで使用してきたタイヤの生産が終了し、なおかつ実行委員会側で確保していた在庫も尽きてしまったためだ。従来のタイヤ直径は8cmだったが、今回から10cmとなり、見かけも少しゴツい感じになる。走行体の本体は前年までのものがそのまま利用できるが、従来のプログラムのままでは走行が不安定になる。今回は新タイヤの制御へ補正するための倒立振子ライブラリも提供する。
アドバンスト・クラス用の「HackEV」には、新たに「伸縮する謎のしっぽ」が付く。このしっぽは、モーター駆動で伸びたり縮んだりする。なぜこれを付けたのかは「それを言ったら面白くない」(本部技術委員長 江口亨氏)ということで、使ってみてのお楽しみ。「実際に使ってみると、意味が分かるかもしれない」。
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