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進化を続ける「SOLIDWORKS」で「産業のルネサンス」を勝ち残れSOLIDWORKS World 2018(2/3 ページ)

「SOLIDWORKS World 2018」の基調講演では、「SOLIDWORKS」と「3Dエクスペリエンスプラットフォーム」に関わる5つの新機能が紹介された。新たな産業革命である、設計者や技術者が組織を越えて知識を共有し次世代の製品を作り出していく「産業のルネサンス」において重要な機能になるという。

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2つのクラウドベース3D CADツール

 3つ目と4つ目はともにクラウドベースの3D CADツールになる。まず「SOLIDWORKS Product Designer(以下、Product Designer)」は、3Dエクスペリエンスプラットフォームから提供される高機能のクラウドベース3D CADツールだ。SOLIDWORKSはローカルのPCにインストールしてオフラインで運用するのが基本だが、Product Designerはクラウドとの接続が前提となる。

「SOLIDWORKS Product Designer」の画面例板金設計機能図面を扱う機能 「SOLIDWORKS Product Designer」の画面例(左)。これまで、同社のクラウドベースの3D CADツールは構想設計用の「Conceptual Designer」と意匠設計用の「Industrial Designer」など用途を限定したものだったが、Product Designerは板金設計機能(中央)や図面を扱う機能を持つなど、より汎用的な3D CADツールとなっている(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ

 もう1つのクラウドベースの3D CADツール「SOLIDWORKS xDesign(以下、xDesign)」は、これまで「Xdesign」の名前で知られてきたWebブラウザベースのツールだ。Product DesignerはローカルPCにアプリケーションをインストールする必要があるが、xDesignは完全ブラウザベースなのでインストール作業は必要ない。また、PCだけでなく、タブレット端末やスマートフォンでも利用できる。現時点でxDesignは、20人のユーザーによるβテストの段階だが、今後はテストのユーザー数を拡大し、2018年末に約7000人にまで増やすとしている。

「SOLIDWORKS xDesign」の画面例
「SOLIDWORKS xDesign」の画面例(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ

 なおxDesignは、SOLIDWORKSのAI(人工知能)技術が採用されており、寸法や重量などの条件を決めるだけで最適な形状を提案してくれる形状合成(Form Synthesis)機能なども利用できるようだ。

 5つ目は、3Dエクスペリエンスプラットフォームの新たなサービスとなるオンライン取引プラットフォーム「3DEXPERIENCE Marketplace(以下、Marketplace)」である。2018年1月20日に公開されたMarketplaceで利用可能なサービスは2つある。1つは、Marketplaceに登録されている600社の企業、3000万点以上の部品から、設計した3Dデータに最適なものを購入できる「Parts Supply」である。もう1つは、Marketplaceに登録されている50社のデジタル製造サービスプロバイダーに、設計した3Dデータを基にオンデマンドで製造を依頼できる「Make」だ。

「3DEXPERIENCE Marketplace」のポートフォリオ
「3DEXPERIENCE Marketplace」のポートフォリオ(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ
「Parts Supply」の画面例「Make」の画面例 「Parts Supply」(左)と「Make」(右)の画面例(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ

 バッシ氏は「アマゾン(Amazon)は小売業を一変させたが、Marketplaceは世界中のエンジニアのためのアマゾンになるだろう」と強調した。実際にMarketplaceでは、アマゾンと同様に、支払いや為替、請求といった取引全般の管理とトレーサビリティーの確保が可能なことを特徴としている。ユーザーの3Dデータに適合する最適な部品の調達や製造委託を行えるだけでなく、それらに付随する商取引をプラットフォームが担っている点が「エンジニアのためのアマゾン」とうたう背景になっている。

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