進化を続ける「SOLIDWORKS」で「産業のルネサンス」を勝ち残れ:SOLIDWORKS World 2018(1/3 ページ)
「SOLIDWORKS World 2018」の基調講演では、「SOLIDWORKS」と「3Dエクスペリエンスプラットフォーム」に関わる5つの新機能が紹介された。新たな産業革命である、設計者や技術者が組織を越えて知識を共有し次世代の製品を作り出していく「産業のルネサンス」において重要な機能になるという。
ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(Dassault Systemes SOLIDWORKS:以下、ソリッドワークス)の年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS World 2018」(会期:米国時間2018年2月4日〜2月7日)が、ロサンゼルスコンベンションセンター(米国カリフォルニア州ロサンゼルス)で開幕した。
事実上の会期初日となる同年2月5日の基調講演には、ソリッドワークスブランドのCEOを務めるジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏と、ダッソー・システムズ CEOのベルナール・シャーレス(Bernard Charles)氏が登壇。3D CADツール「SOLIDWORKS」関連の新製品や新機能、ダッソー・システムズのクラウド「3Dエクスペリエンスプラットフォーム」との関わりなどについて語った。
連携深める「SOLIDWORKS」と「3Dエクスペリエンスプラットフォーム」
基調講演は、司会の女性の呼び出しに対して、バッシ氏が謎のクルマに乗りながら会議兼食事をしながら会場に入ってくるシーンからスタート。
ステージに上がったバッシ氏は、新たな産業革命として、設計者や技術者が組織を越えて知識を共有し次世代の製品を作り出していく「産業のルネサンス」を迎えつつあることを説明。その上でバッシ氏は「皆が持っているアイデアをアジャイルに実現するために開発されたのがクラウドベースの3Dエクスペリエンスプラットフォームだ。約20年の歴史を持ち、数百万人のユーザーにデスクトップツールとして利用されているSOLIDWORKSも、3Dエクスペリエンスプラットフォームとの連携を深めていく」と述べ、SOLIDWORKSと3Dエクスペリエンスプラットフォームに関わる5つの新機能を紹介した。
「3Dエクスペリエンスプラットフォーム」を中核として、「SOLIDWORKS」は、従来のローカルPCで利用するデスクトップ(DESKTOP)製品と、クラウドを活用するオンライン(ONLINE)製品が連携する(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ
新機能の1つ目は3Dエクスペリエンスプラットフォームで提供されるサービス「3DEXPERIENCE Social Collaboration Services」だ。セキュアなソーシャルコミュニケーションが可能であり、既に利用できる状態にあるという。SOLIDWORKSユーザーにとって重要な機能になるのが、SOLIDWORKSで設計した3Dデータをクラウド上でファイル共有できる点だ。この時、自動でサムネイルが作成され、Webブラウザから3Dデータの内容を確認できる。これにより、3Dデータを使って、遠隔地の他の拠点や、納入先、部品サプライヤーと打ち合わせることが容易になる。
「3DEXPERIENCE Social Collaboration Services」は、「SOLIDWORKS」の3Dデータをクラウドの「3DDrive」上でファイル共有できる(クリックで拡大) 出典:ダッソー・システムズ
2つ目は、3Dエクスペリエンスプラットフォームで提供されるPLM「SOLIDWORKS 3DEXPERIENCE PLM Services(以下、PLM Services)」である。これまでSOLIDWORKSでは「SOLIDWORKS PDM」による変更管理、「SOLIDWORKS Manage」によるプロジェクト管理までしか対応していなかった。PLM Servicesではこれらに加えて、要件管理、サプライチェーン管理、品質保証管理なども可能になる。つまり本格的なクラウドPLMを利用できるようになるというわけだ。サービス提供は2018年後半を予定している。
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