ターボ機械設計システム「TURBOdesign Suite 6.4」が実在気体物性の読み込みに対応、STAR-CCM+の実行設定も簡単に:CAEニュース
ヴァイナスはターボ機械設計システムの「TURBOdesign Suite 6.4」を国内で販売開始。同製品では、圧縮機設計における実在気体の物性読み込み、遠心型多段圧縮機における子午面形状のパラメトリック機能、流体解析ソルバー「STAR-CCM+」(シーメンス)との連携機能などを提供する。
ヴァイナスは2018年1月31日、ターボ機械設計システムの「TURBOdesign Suite 6.4」を国内で販売開始した。販売価格は、年間ライセンスで350万円(消費税別)から、永久ライセンスで1225万円(消費税別)から。TURBOdesign Suiteは、ターボ機械の流体設計のための1次元(1D)設計ツールや3次元翼最適化設計ツールなどを備える。新製品では、圧縮機設計における実在気体の物性読み込み、遠心型多段圧縮機における子午面形状のパラメトリック機能、流体解析ソルバー「STAR-CCM+」(シーメンス)との連携機能などを提供する。
音速に近い流速で密度・圧力が大きく変化する場合、あるいは気体における基本的な理論モデルである理想気体から大きくかけはなれた物性を取り扱いたい場合、現実に存在する気体の物性である実在気体を扱う必要がある。同製品では全てのモジュールで、圧縮機の設計に必要となる圧縮性を持ったガスの物性データを取り込むことが可能だ。
子午面形状生成機能では、複数の断面と各位置に対する回転幅、方向と参照点をパラメータとして定義できる。この機能で、遠心型多段圧縮機において柔軟な設計ができるとしている。
羽根の厚さ分布の指定を行うウインドーでは、流れ方向と併せて、スパン方向に対して厚さ分布の指定が可能だ。またコーナーRを伴い、複雑な渦巻き形状をしたソリッドモデルがIGESデータとしてエクスポート可能だ。
STAR-CCM+の実行設定が簡単にでき、計算後のデータから向上したい性能値を抽出するプロセスも簡略化した。
TURBOdesign Suite 6.4は、国内の自動車、重工業、重電・家電および各種産業機械メーカーを中心に、初年度20ライセンスの販売を見込む。
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