エンジンやボディー、シャシーはどう進化する? マツダSKYACTIV第2世代:乗って解説(3/4 ページ)
マツダが開発中の火花点火制御式圧縮着火エンジン「SKYACTIV-X」に試乗する機会を得た。試乗に先立って詳細な技術説明とともに次世代のボディー&シャシー技術についても明らかにされ、マツダが目指す方向性が見えてきた。
ボディーやシャシー技術も次世代へ
冒頭で触れた通り、今回の次世代技術説明会では、スカイアクティブ-Xの他、次世代のボディー&シャシー設計技術における考え方も公開された。次世代ビークルアーキテクチャと名付けられたその概念は、より人馬一体感を追求すべく人体の歩行メカニズムから解析し、違和感ないドライビングと疲労の抑制が目標とされているようだった。
その方法として現在、ボディー剛性を効率良く高める手段として骨格を多方向へ環状構造とすることにより力を逃がさず伝えることや、足回りの支持剛性向上、ボディーへの入力を抑えるためにタイヤの縦バネを低減することなどを取り入れている。
「ねじり剛性や曲げ剛性などの数値にこだわるのはやめようということになったんです。それよりも、いかに走りの質を向上させるか。数値はあくまで結果としてついてくるものでしかないと思っています」と、マツダ 車両開発本部副本部長 兼 車両開発本推進部長の松田健二氏は語った。
実際に現行アクセラのデザインのままボディー剛性を向上させた試作のモノコックが展示されていた。交換あるいは補強が追加された部分を見てみると、従来部品を介して補強材が断続的につながっている部分もあり、省略化によってさらに剛性の向上と軽量化およびコストダウンが図れそうな箇所も見受けられる。
例えば左右のストラットタワーとAピラー間を強化する補強材は、Aピラーから幾つもの部材を経てストラットタワー間のビームにつながっている。フロントのサブフレームからフロアパネルへと伸びるサイドメンバーの湾曲している部分には補強材が二重に追加されている。「このあたりは衝突安全性との兼ね合いもあり、バランスが難しい部分なんです。それでもこれから開発を進めていくことで、より連続した構造となって部品点数が減る箇所も出てくるでしょう」(松田氏)。
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