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トヨタは電気自動車「eQ」で何を反省したか、今後に何を生かすのか電気自動車(1/2 ページ)

「ハイブリッド車で20年間培ってきた要素技術が、EV開発での競争力の源泉になる」と繰り返し説明してきたトヨタ自動車。2017年11月27日に開催した技術説明会で、あらためて電動化に対する取り組みを語った。

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電動パワートレインは足し算で


トヨタ自動車が展開してきたEV、HV、PHV、FCV(クリックして拡大)

 「日系自動車メーカーは電気自動車(EV)の開発で出遅れている」。こうした指摘に対しトヨタ自動車は「ハイブリッド車(HV)で20年間培ってきた要素技術が、EV開発での競争力の源泉になる」(トヨタ自動車 副社長のディディエ・ルロワ氏)というように反論してきた。

 トヨタ自動車が電動化の要素技術と位置付けるのは、モーター、バッテリー、パワーコントロールユニットだ。パワーコントロールユニットにはインバーターやパワー半導体も含まれる。初代モデルの登場から20年を迎えたHV「プリウス」の部品だけを見ても、大幅な小型化や高効率化、コスト低減を実現した。

4世代のプリウスの燃費とシステムコストの比較(左)。HVシステムに足し算で電動車のラインアップを増やす(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 その中で培った設計技術や製造技術の蓄積が、大小さまざまな車両タイプのEVの基幹部品に生きるという。「プラグインハイブリッド車(PHV)=HVの要素技術+電池の大容量化+外部充電」「EV=HVの要素技術+電池の大容量化+外部充電」「燃料電池車(FCV)=HVの要素技術+FCスタック+FC昇圧コンバーター」というように、一部専用の要素技術を付加しながら、電動車のラインアップを広げていく。

 「インバーターとモーターはそのままEVに適用できる。バッテリーはエネルギー密度を高める必要があるが、安全な制御や電池パックの強度はHVで培った技術がベースになる」(トヨタ自動車 パワートレーンカンパニー 常務理事の安部静生氏)。また、「モーターの小型化の技術は、より大きなモーターになっても熱の逃がし方や、レアアース使用量の低減と性能の両立などで応用できる。より小さいモーターなら、課題は製造技術のコストをいかに下げるかという点のみだ」(トヨタ自動車の説明員)。

プリウスの初代から3代目のHVシステム。トランスアクスルやモーターの小型化と高効率化が世代ごとに大きく進んだ(左)。プリウスのバッテリーは初代から2代目で大幅に小型化した(右)(クリックして拡大)
プリウスのパワーコントロールユニットの小型化の変遷(左)。内部のコンバーターも小型軽量化、効率向上によって様変わりした(右)(クリックして拡大)

FCV「ミライ」は「RX450h」「カムリ HV」の部品を活用した(クリックして拡大)

 HVの要素技術を他の電動パワートレインに水平展開した例は既にある。2012年に発表し、日米の自治体や特定利用者向けに限定導入したEV「eQ」は、「クラウン HV」のモーターと、プリウスのパワーコントロールユニットを採用した。eQのバッテリーは初代「プリウスPHV」のバッテリーセルを3倍に増やしたもので、充電器や充電ケーブルも初代プリウスPHVから電流容量を増やして搭載した。また、FCV「ミライ」は「RX450h」のパワーコントロールユニットとモーター、「カムリ HV」のバッテリーを活用した。

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