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製造プロセス改革の最後のフロンティア、アフターサービス業務とIoTの親和性製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)

製造業の業務プロセス改革などが進む中で、最後のフロンティアとして残されていると見られているのがアフターサービス業務の効率化である。アフターサービスパーツの管理ソリューションを展開するシンクロンのCEO アンダース・グルーデン氏に市場動向や日本の製造業の傾向について話を聞いた。

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 改善活動などで効率化を突き詰める設計領域や生産領域など製造業の業務プロセスは絞りつくされていると思われがちだ。しかし、多くの製造業であまり大きな注目を集めず改善がそれほど進んでいない領域が存在する。アフターサービス領域である。

 しかし、この傾向も徐々に変わりつつある。IoT(モノのインターネット)の盛り上がりによるサービスビジネスへの関心の高まりである。こうした動きに対し、以前からアフターサービスパーツの管理ソリューションなどを展開してきた、スウェーデンのSyncron International(以下、シンクロン)のCEO(最高経営責任者)であるAnders Gruden(アンダース・グルーデン)氏は「IoTは、アフターサービス市場を新たに活性化する1つの理由になっている」と現在の追い風を表現する。アフターサービス市場の動向と日本の製造業の取り組みについて、グルーデン氏に聞いた。

アフターサービスビジネスは活況

MONOist 日本の製造業では、以前はアフターマーケット領域でシステムを導入するのにややネガティブだった印象があるのですが、最近の傾向についてはどのように見ていますか。

グルーデン氏 シンクロンは製造業のアフターサービス部門を対象としたソリューションに専門的に取り組む独立型のクラウドソリューションベンダーだ。ユーザーとしては、米国のCaterpillar(キャタピラー)やHarley-Davidson(ハーレーダビッドソン)、ドイツのDaimler(ダイムラー)、日本のヤンマーやコベルコ建機、クボタ、日立建機、ブラザー工業など、高度な技術を持つ業務用機械メーカーなどを多く抱えている。日本での展開は2008年からだが、産業向けではグローバルでも強い製造業が数多く存在し、日本は重要な市場だと考えている。

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シンクロンのCEO アンダース・グルーデン氏

 製造業の動向を見ると「スマイルカーブ」とされるように、従来の投資の中心となってきた「開発設計」や「生産工程」などに対する付加価値は減少傾向にある。一方で、「営業やマーケティング」「販売後のメンテナンスやアフターサービス」などの付加価値は高いままである。特に「アフターサービス」領域は、顧客満足度向上と収益確保の両面で貢献するホワイトスペースである。

 当たり前だが、良い製品を出すだけで売れた時代は終わりつつある。売った後の顧客経験を維持し高めていくことが必要となる。満足する経験を維持することが次の製品の購入にもつながる。ブランドに対する顧客のロイヤリティーを高めることにもつながる。こうした認識が世界の多くの製造業で広がってきており、投資が活発化してきた。日本の製造業もこうした動きを先導するところは少ないが、この流れに追随している。

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製造業における収益性と付加価値、ICT資本投下度合(クリックで拡大)出典:シンクロン

アフターサービスにおけるビジネスモデルは同じ

MONOist サービスパーツの管理ソリューションなどは建機など大型機械での採用が目立つような気がします。業種を選ぶものではないのですか。

グルーデン氏 どのような業種でも基本的にはアフターサービスにおけるビジネスモデルは変わらない。だからこそ、シンクロンはグローバルで統一した、SaaS(Software as a Service)型のソリューションを展開できている。B2Bだけでなく、自動車産業などB2C領域でも採用が進んでいる。あらゆる業界にとってアフターサービス領域の効率化は必要だと考えている。

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