「Connected Industries」でCEATECも変わり、JEITAも変わる:CEATEC2017(1/2 ページ)
「CEATEC JAPAN 2017」の基調講演にJEITA会長でパナソニック 取締役会長の長榮周作氏が登壇。「超スマート社会『Society 5.0』に向けて」をテーマに、「CEATEC JAPAN」の変化と、世界のトレンドに対するJEITAやパナソニックの取り組みについて紹介した。
「CEATEC JAPAN 2017」(2017年10月3〜6日、千葉県・幕張メッセ)の基調講演に電子情報技術産業協会(JEITA)会長でパナソニック 取締役会長の長榮周作氏が登壇。「超スマート社会『Society 5.0』に向けて」をテーマとし、IoT(モノのインターネット)活用などが進む世界の産業界のトレンドと、JEITAやパナソニックの取り組みについて紹介した。
社会課題を解決するデジタル技術
世界的な気候変動と資源不足、人口構造の変化、主要国の低成長、都市化の急速な進行など、複雑化する社会課題にどう立ち向かうかが問われている。こうした状況に対し、進化が加速するIoT、5G、AI(人工知能)などの情報通信技術(ICT)を生かすことで、問題解決を進め新しい社会を構築できる可能性が生まれている。
産業界ではドイツの「インダストリー4.0」に見られるような第4次産業革命の動きが本格化している。一方で、消費者向け市場では、ライドシェアのUberなど「シェアリングエコノミー」で新たなビジネスモデルを構築する企業が増え、短期間で大きな成長を見せるようになっている。
これらに対して、日本では「未来投資戦略2017」で閣議決定された超スマート社会「Society 5.0」というビジョンが掲げられている。ここでは、例えば「人口減少をものともしないスマート社会」「高齢者や女性などあらゆる個人が活躍できる社会」、などの目標が定められている。
「Society 5.0」は、第5期科学技術基本計画で示された新たな社会コンセプトであり、人類の歴史が狩猟者社会、農耕社会、工業社会、情報社会と移ってきた先の超スマート社会を指すもので、「新しい価値やサービスが次々と創出され、必要なものやサービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供できる社会」と定義付けられている。この「Society 5.0」を実現するためには産業社会としての取り組み「Connected Industries」が必要だ。
「Connected Industries」は、さまざまなつながりにより新たな付加価値が創出される産業社会をテーマとしている。「人と機械・システムが協調する新しいデジタル社会の実現」「協力と協働を通じた課題解決」「デジタル技術の進展に即した人材育成の積極推進」を3つの柱として、「自動走行・モビリティサービス」「モノづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「プラント・インフラ保安」「スマートライフ」の5つを重点分野として定めている。JEITAはこのうち、スマートライフという分野に大きくかかわっている(※1)。
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