ニュース
人の数を高精度に検出するサーモパイル型人感センサーを納入:組み込み採用事例
オムロンは、人の数を高精度に検出するサーモパイル型人感センサーを日建設計と共同開発し、東京電機大学に約1000台納入した。同センサーの導入により、照明の省エネ制御と空調の省エネが可能になる。
オムロンは2017年9月12日、人の数を高精度に検出するサーモパイル型人感センサーを日建設計と共同開発したと発表した。東京電機大学の東京千住キャンパス新校舎に約1000台を納入した。
サーモパイル型人感センサーは、MEMS非接触温度センサーを内蔵。人からの放射温度を検出することで、3.6×3.6mの範囲にいる人の在/不在を16分割されたエリアごとに検知できる。熱源を256画素の温度データから細やかに捉えることで、高精度に人数を把握する。また、人の特徴点を捉えるアルゴリズムを搭載し、熱源が人なのかOA機器などなのかも判別できる。
同センサーの導入により、照明の省エネ制御や人数に応じた部屋の換気量の調整もできるため、空調の省エネも可能だ。さらに、人の影響を除いた床の放射温度もセンシングし、人が快適と感じる最適な空調温度が設定できる。災害時には、在室者の位置と人数を把握でき、防災の向上にも役立つ。
東京電機大学は、詳細なエネルギー消費量や設備機器の状態把握などによる省エネ活動に取り組んでいる。今回、新校舎の省エネ向上に向け、同センサーを採用した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- オムロンの「卓球ロボット」が示す制御技術のポテンシャル
オムロンはCEATEC JAPAN 2017開幕前日にメイン展示となる卓球ロボット「フォルフェウス」の進化と技術について紹介した。 - 「世界で最も現実的なインダストリー4.0」を目指すオムロンの勝算(前編)
オムロンはFA事業戦略を発表し、同社が考えるモノづくり革新のコンセプト「i-Automation」について紹介するとともに、これらのコンセプトを実践している同社草津工場の取り組みを紹介した。本稿では、前編で同社の考えるモノづくり革新の全体像を、後編で製造現場における実践の様子をお伝えする。 - 「世界で最も現実的なインダストリー4.0」を目指すオムロンの勝算(後編)
オムロンはFA事業戦略を発表し、同社が考えるモノづくり革新のコンセプト「i-Automation」について紹介するとともに、これらのコンセプトを実践している同社草津工場の取り組みを紹介した。後編ではオムロン草津工場におけるIoT活用の実践の様子をお伝えする。 - オムロンがなぜセンシングデータの流通市場構築に動くのか
IoTによる製造業のビジネス革新の動きとして「サービス化」への関心が高まっている。その1つの基盤として、IoTによって得られたセンシングデータを流通させる「データマーケット」が注目されている。このデータ流通市場構築にオムロンが乗り出すことを表明。なぜ、オムロンはデータ取引市場に参入するのだろうか。 - インダストリー4.0に対し、オムロンが考えること
ドイツの「インダストリー4.0」や米国の「インダストリアルインターネットコンソーシアム」など、IoTを含むICTを活用した製造業革新の動きが加速している。日本の製造業の強みを脅かすとも見られるこの動きを、FA制御機器大手のオムロンはどう捉え、どういう取り組みを示していくのか。オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 商品事業本部 コントローラ事業部 HMIPMG 部長の本条智仁氏に話を聞いた。 - 坂村健氏が東洋大の情報連携学部で実践する「IoS」時代の教育
東洋大学は2017年4月に開校する情報連携学部のプレス内覧会を開催。赤羽台キャンパスに新設した「INIAD Hub1」を公開した。同学部の学部長に就任する坂村健氏は「INIAD Hub1は、世界最先端のIoTビルであり、学生とともに成長していく」と語った。