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「つながるクルマ」の安全を描く、車載セキュリティベンチャーの挑戦車載セキュリティ(1/2 ページ)

クルマのコネクテッド化が進む中、セキュリティは必須の要素となる。カルソニックカンセイとフランスのセキュリティ関連企業のQuarkslabが設立した車載セキュリティベンチャーである「WhiteMotion(ホワイトモーション)」が、取り組みについて語った。

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 さまざまなモノがインターネットでつながるIoT(モノのインターネット)が進展する中、大きな期待を集めているのが、通信機能を持つ「コネクテッドカー」だ。しかし、クルマがコネクテッド化する中で、大きな課題となっているのがサイバーセキュリティである。

 こうした状況を受け、自動車部品大手のカルソニックカンセイが、フランスのセキュリティ関連企業のQuarkslabと折半出資し2017年7月に合弁会社として設立したのが「WhiteMotion(ホワイトモーション)」である※)。同社の取り組みについて、カルソニックカンセイ 代表取締役社長の森谷弘史氏と、カルソニックカンセイ 常務執行役員 電子事業部長でホワイトモーション 会長の石橋誠氏、ホワイトモーション 最高経営責任者(CEO)の蔵本雄一氏に話を聞いた。

※)関連記事:カルソニックカンセイが車載セキュリティで新会社、「ITをクルマに合わせていく」

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カルソニックカンセイ 代表取締役社長の森谷弘史氏(右)とホワイトモーション 最高経営責任者(CEO)の蔵本雄一氏(左)

自動車とITが50:50のユニークさ

 車載セキュリティの課題について、カルソニックカンセイの森谷氏は「従来の車載セキュリティというのは、自動車側のみであったり、IT側のみであったり、それぞれのニーズを最適に生かすということが難しかった」と述べる。

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「社会的意義のためにもやるべきだ」と語る森谷氏

 これに対しホワイトモーションは「業界で初めて、自動車業界側とIT業界側が50:50で生まれたユニークな企業だと考えている。この取り組みが今後どの程度成長し、どの程度勝算があるのかというのは分からないというのが正直なところだが、自動車の将来像を考えた場合『どう考えてもやるべきだ』と考えたからチャレンジした。ホワイトモーションでの取り組みで将来のモビリティ社会に少しでも貢献できるようにしたい」と狙いについて語っている。

 ホワイトモーション CEOの蔵本氏は日本マイクロソフトでセキュリティを長く担当してきた経験を持つ。蔵本氏は「コネクテッドカーは大きな盛り上がりを見せているが、こうした大きな変化に対しては、従来の自動車業界だけであったり、IT(情報技術)業界だけであったりでは乗り越えられない。両方の業界が必要な技術やノウハウを持ち寄って協力することで初めて実現できるものだ」と意義について語る。

 業界間協力が必須となる中で、ホワイトモーションという社名としたのには理由があるという。蔵本氏は「あえて『ホワイト』を入れたのは『ブラックボックス』ではだめだという意味を込めたかったからだ。『ホワイト』であくまでも自社利益だけでなく公益性を重視するという姿勢を示した。サイバーセキュリティは1社で実現するものではない。1企業で抱え込むのではなく、ノウハウや技術を広く公開し、安全な自動車のカタチがどういうものかを模索していく。そして得られた知識や製品を、自動車メーカーやサプライヤーなども分け隔てなく提供していく」と述べている。

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