「VRの世界を中小企業にも届ける」という思いは現実に――プロノハーツ:IVR2017(1/2 ページ)
プロノハーツは「第25回 3D&バーチャルリアリティ展(IVR2017)」で同社が扱う製造業向けVRシステムとして、フランスMiddleVRの「Improov3」、自社開発の「pronoDR」を展示した。pronoDRによる国内事例も動画で紹介した。
プロノハーツは「第25回 3D&バーチャルリアリティ展(IVR2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)において、同社が扱う製造業向けVRシステム2種を展示するとともに、導入事例についても公開した。
同社がブース正面で展示したのが、フランスMiddleVRが開発する「Improov3」で、プロノハーツが2017年4月から販売開始したものだ。
Improov3は複数の人数でVR空間を共有しながら、同じ3Dデータをのぞいて、3Dデータの部品を動かしたり、断面表示したり、手描きのマークアップを加えたり、寸法を付加したりするなどが可能だ。画面には、ユーザーのアバターの首が表示されている。アバターはHMDを装着したユーザーの頭部の動きと連動している。同じくHMDを装着している人同士が顔を合わせて会話をすると、互いのアバター同士も顔を合わせている。
リモコンを操作しながら、VR空間の中にある方向などを制御するコントローラーや、細長いタクト状のGUIを用いて、3Dデータの部品をつかんだり、手描きの線を加えたりする。それらの操作には少々コツがいるが、とにかく使って、慣れしまえば問題ないようだ。
中小企業に届いた、PronoDR
プロノハーツは中小企業向け製造業VRシステム「pronoDR」を自社開発している。こちらは大規模3Dデータ(部品数万点レベル)をVRで展開したい場合や、3Dデータを自由に眺めまわしたい、あるいはその中を動き回りたい時に適しているシステムだ。
今回は、「国内企業による廉価VRシステムの事例」ということで2社の事例を動画で披露した。これまで、産業系のVR事例については、国内より海外のものが目立ち、従来の高級システムによるものが多かった。
同社は2014年から、pronoDRの原型である、製造業に特化した廉価なVRシステムを販売している(関連記事:VRの世界を中小企業にも届ける! 「3次元データの中を自由に動き回ろう」)。その後アプリケーション開発の部分で、VRコンテンツ開発など手掛けるアップフロンティアがパートナーとなって機能強化し、「pronoDR」と名付けてリニューアルした。HMDの「HTC Vive」や市販のゲームコントローラーなど廉価な仕組みを採用し、中小企業でも手が届く価格帯で提供してきた。
HMDについて、提供開始当初は「Oculus Rift」を採用していたが、国内ユーザーの利用状況によりマッチしたHTC Viveに変更したとのことだ。「眼鏡が入らないんだよ」(プロノハーツ 代表取締役 藤森匡康氏)。
提供開始から約3年、販売については順調で、公開可能なユーザー事例が早くも出てきたということだ。
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