ニュース
大きいことはいいことだ、1m角の大型造形ができる3Dプリンタ:DMS2017
ドイツの3Dプリンタメーカーであるビッグレップは「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」のイリスブースにおいて、1m角の大型造形を可能とする大型3Dプリンタを紹介した。
ドイツの3DプリンタメーカーBigrep(ビッグレップ)は「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)のIRIS(イリス)ブースにおいて、1m角の大型造形を可能とする大型3Dプリンタ「BigRep ONE v3」を紹介した。
広がる「大型」へのニーズ
BigRep ONE v3は、造形サイズとして1辺1005mmの1m3のプリントサイズに対応した大型3Dプリンタである。造形方式は熱溶解フィラメント製法(FDM)を採用しており、レイヤー解像度は400〜900μmだとしている。本体重量は約460kgで、本体サイズは1850×2250×1725mmとなっている。材料は専用フィラメントを用意しており、モジュール式押出ヘッド2つでフィラメントを溶かして造形していく。
特徴は造形サイズの大きさとコストパフォーマンスである。1辺が1mの立体であれば造形できるため、椅子や机などであれば、一度に造形することが可能。さらに小型の造形物を複数個まとめて造形することなどができるため、さまざまな試作物を一体成形できる。
2017年から販売を開始しており、価格は約1000万円。ドイツの商社であるイリスの担当者は「既に日本でも導入実績が出ている。大型で高いコストパフォーマンスである点が評価を受けている」と手応えについて述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。 - 1000万色フルカラー3Dプリンタがついに発売へ、印刷業界で培った色表現に優位性
ミマキエンジニアリングがUV硬化インクジェット方式3Dプリンタ「3DUJ-P(仮)」を2017年内に発売する。広告や看板などに用いられる2Dの産業用プリンタで培った技術を基に、3Dプリンタでありながら1000万色以上のフルカラー造形を実現した。本体価格は1500万〜2000万円を想定している。 - 3Dプリンタ“ブーム”は終えんも、製造業の活用は着実に拡大へ
IDC Japanは、国内3Dプリンティング市場の2013〜2015年の実績と2020年までの予測を発表した。一般消費者向けのデスクトップ3Dプリンタ市場は、ブームの終えんによって縮小したものの、企業ユーザー向けのプロフェッショナル3Dプリンタ市場と付随する関連サービスと3次元造形材料の市場は今後も着実に拡大するという。 - 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。 - 金属3Dプリンタ付き複合加工機「既に方式を検討する段階は終わっている」
DMG森精機は「JIMTOF2016」において、金属3Dプリンタと旋盤加工を組み合わせたハイブリッド金属複合加工機「LASERTEC 4300 3D」を出展。JIMTOF2016では多くの企業が金属3Dプリンタ付き複合加工機を出展したが、同社取締役社長の森雅彦氏は「方式をどうこうする段階は終わっている」と考えを述べている。