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世耕経産大臣がConnected Industriesをアピール「協調領域を最大化してほしい」“Connected Industries”シンポジウム(1/2 ページ)

経済産業省が主催した“Connected Industries”シンポジウムの基調講演に、経済産業大臣の世耕弘成氏が登壇。「Connected Industries」について説明するとともに「日本企業は狭い国内で激しく競争してきたこともあって協調が下手だ」とし、協調領域を最大化する意義を訴えた。

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経済産業大臣の世耕弘成氏
経済産業大臣の世耕弘成氏

 経済産業省は2017年6月19日、東京都内で“Connected Industries”シンポジウムを開催した。基調講演には、経済産業大臣である世耕弘成氏が登壇し「Connected Industries」の策定の背景や、目指すべき場所について説明。「日本企業は狭い国内で激しく競争してきたこともあって協調が下手だ。しかし、Connected Industriesでは、協調領域を最大化してさまざまなつながりを生んでほしい」と訴えた。

 Connected Industriesは、2017年3月にドイツ・ハノーバーで開催された「CeBIT 2017」に日本がパートナー国として参加した際に経済産業省が発表した、日本の産業が目指す姿を示すコンセプトだ。ドイツの「Industrie 4.0(インダストリー4.0)」、フランスの「Industrie du Futur(産業の未来)」などのプロジェクトに当たり、今後の日本の産業施策はConnected Industriesを軸に展開される。また、日本政府が訴える、社会そのものが新しい技術によって変革する「Society 5.0」の実現に向けて、Connected Industriesが重要な役割を果たすとされている。

Connected Industriesのイメージ
Connected Industriesのイメージ(クリックで拡大) 出典:経済産業省

 世耕氏は「人と人が世代を超えてつながっていく、コネクトされたモノづくりや産業という方向性を示すのがConnected Industriesだ。今後は、全ての産業政策をConnected Industriesを旗印として集中させていく」と語る。

 同氏が重視する企業間の協調領域については、「データ」「サイバーセキュリティ」「人材」という3つのテーマを挙げた。まずデータについては、企業間での利活用と共有を進められるように、2017年5月30日にガイドラインを発表。同年4月28日には、データの流通や利活用を促進する「データ流通プラットフォーム間の連携を実現するための基本的事項」も取りまとめている。さらに、データの利活用と共有が進むように、政府保有データを活用するためのAPIの開発も加速しているという。

 「データを安心・安全に利用できるようにする上で必要」(世耕氏)とするのがサイバーセキュリティだ。2016年7月には、業界横断的なIoT(モノのインターネット)セキュリティガイドラインを策定している。これまで、サイバーセキュリティといえば海外ベンダーが中心的な役割を果たしてきたが、「このIoTセキュリティへの取り組みをきっかけに、日本のサイバーセキュリティ産業を促進させたい」(同氏)としている。

 データを扱う人材の育成も重要だ。世耕氏は「データを集める企業は増えているが、集めたデータの活用はほぼ進んでいないというのが国内の現状だ。そのための人材を育成しなければならない」と強調する。その取り組み事例として、IPA(情報処理推進機構)内に2017年4月に開設した「産業サイバーセキュリティセンター」における人材育成を挙げた。「米国やイスラエルといったサイバーセキュリティで先行する国や企業の知見を学ぶべく、約80人が研修することとなった。だがまだまだ足りない」(世耕氏)という。

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