オークマの“夢工場”はスマート化とロボット化で花開く:スマートファクトリー(2/3 ページ)
工作機械大手のオークマは2017年5月に新工場「Dream Site 2」部品工場を完成。いち早くスマート工場化を進めた「Dream Site 1」の実績を生かし、ロボット活用やIoT活用などでさらなる高度化を目指している。
ロボット活用による自動化領域の拡大
DS1に対し、DS2で進化した点の1つが、ロボット活用による自動化領域の拡大である。DS1も自動化を進めてきたが、DS2ではロボットの採用台数を倍増し、従来の工程間搬送だけでなく、搬送から治具の変更や取り外し、検査など、さまざまな用途で活用できるようにしている。
DS2は基本的には、3つの加工エリアに工場を縦断する形で搬送ラインが用意されており、そのライン上に立体自動倉庫を用意している。工場に入荷された素材は、FMS(Flexible Manufacturing System)により、必要な加工に合わせて搬送され、搬送機上のロボットで立体自動倉庫に配置。その後、加工エリアでロボットが棚から必要なワークを受け取って工作機械内に運び込み、加工を行うという仕組みが基本となっている。
加工する工作機械はほぼ全てオークマ製で、大物加工エリアには門型マシニングセンタ「MCR-BIII」、大型平面研削盤などを設置。中物加工エリアでは横形マシニングセンタ「MA-600HII」「MA-8000H」を設置。小物加工エリアでは、5軸制御立形マシニングセンタ「MU-4000V」、複合加工機「MULTUS U4000」などを活用している。
中物加工エリアでは、立体自動倉庫とFMS、ロボットの組み合わせにより、素材投入後、治具への取り付け、加工、バリ取り、洗浄、完成品の回収まで全ての工程を自動化している。
中物加工エリアにおけるファナックの産業用ロボット「M-2000iA」。搬送路から送り込まれた素材を治具に設置し、工作機械に送り込む。ハンド部分を交換したり、治具を外したりすることも自動で行っている(クリックで拡大)
小物加工エリアで活躍するAGV
小物加工エリアでは、無人搬送車(AGV)とロボットの組み合わせを活用して自動化を実現。ロボットによるワーク交換に加え、チャック爪、治具の交換を自動化することで、異なるワークの連続加工を可能としている。素材や完成品は無人フォークリフトにより自動搬送し、長時間の自動運転を実現している。
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