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ランボルギーニの「ニュル最速」を支えるCFRP、軽量化だけでなく空力改善にも貢献材料技術(1/2 ページ)

ランボルギーニ・ジャパンは、スーパースポーツカー「ウラカン ペルフォルマンテ」を日本初公開した。ニュルブルクリンク(北コース)で史上最速のラップタイムを記録している。ポルシェ「918スパイダー」の記録を超える6分52秒01をマーク。その高性能を支える先進技術の1つがCFRP(炭素繊維強化プラスチック)だ。

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日本初公開したスーパースポーツカー「ウラカン ペルフォルマンテ」
日本初公開したスーパースポーツカー「ウラカン ペルフォルマンテ」(クリックして拡大)

 ランボルギーニ・ジャパンは2017年6月8日、スーパースポーツカー「ウラカン ペルフォルマンテ」を日本初公開した。ウラカンの高性能モデルで、日本での公開に先駆けて2017年3月のジュネーブモーターショーで披露されている。日本での販売価格は税別で3163万8800円。

 2016年10月には、ドイツのニュルブルクリンク(北コース)で市販車の最速ラップタイムを記録している。ポルシェ「918スパイダー」の記録(6分57秒00、2013年9月計測)を超える6分52秒01をマークした。その高性能を支える先進技術の1つがCFRP(炭素繊維強化プラスチック)だ。

 ランボルギーニ アドバンスト・コンポジットリサーチセンター 代表のルチアーノ・デ・オト氏がウラカン ペルフォルマンテに搭載した技術を紹介した。

ニュルブルクリンク(北コース)における市販車の歴代ラップタイム記録。これまでの首位から5秒短縮した
ニュルブルクリンク(北コース)における市販車の歴代ラップタイム記録。これまでの首位から5秒短縮した(クリックして拡大) 出典:ランボルギーニ・ジャパン

短繊維を選んだランボルギーニ

ランボルギーニのルチアーノ・デ・オト氏
ランボルギーニのルチアーノ・デ・オト氏

 ランボルギーニのCFRPは、短繊維のプリプレグ材を使うのが特徴だ。目的の形状に合わせて切りぬいたプリプレグ材を金型に重ねて加圧・加熱し、硬化成型する。「フォージドコンポジット」の名称で登録商標も持っている。

 ランボルギーニでのCFRP採用は1980年代からスタートしているが、フォージドコンポジットの歴史は比較的浅い。素材メーカーが短繊維の複合素材の生産を開始したのが2008年だ。2010年に発表したサーキット専用モデル「セストエレメント」のキャビンとサスペンションアームにフォージドコンポジットを採用した。続いて、2014年にはウラカンのエンジンコンパートメントにフォージドコンポジットを使用している。

 今回、ウラカン ペルフォルマンテには、フロントとリアのスポイラー、ボンネット、リアバンパーなどにフォージドコンポジットを用い、40kgの軽量化を図った。車両は乾燥重量で1382kg。

ランボルギーニ独自のCFRP「フォージドコンポジット」を採用した部位
ランボルギーニ独自のCFRP「フォージドコンポジット」を採用した部位(クリックして拡大) 出典:ランボルギーニ・ジャパン
短繊維によるフォージドコンポジット独自の模様も前面に出している(クリックして拡大)

5分で硬化、形状の自由度も高い

 フォージドコンポジットは成型にかかる時間が5分と短く、長繊維のプリプレグ材よりも形状の自由度が高いというメリットもある。そのメリットを生かすことで製品化できたのが、アクティブエアロダイナミクス「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)」だ。ウラカン ペルフォルマンテ向けに専用開発した。

 加減速やG、操舵などの車両情報を基にフロントスポイラーやリアウイングをECUが制御して運動性能を高める。

アクティブエアロダイナミクス「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)の仕組み。走行条件ごとのフロントやリアのフラップの制御(クリックして拡大) 出典:ランボルギーニ・ジャパン
カーブに合わせてリアウイング内を空気が流れ、ダウンフォースを発生させる(クリックして拡大) 出典:ランボルギーニ・ジャパン

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