タイヤを売らずに稼ぐタイヤメーカー、ブリヂストンが目指す変革の目的地:製造業がサービス業となる日(2/3 ページ)
ダッソー・システムズの年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2017」の特別講演として、タイヤメーカーであるブリヂストンがデジタル変革をテーマに講演した。
3段階でのデジタル変革
ブリヂストンではデジタル変革に向けて、3つのステップを計画。1つ目が社内の生産性やオペレーション品質を向上させる「Digital for Bridgestone」、2つ目がタイヤを通じたサービスビジネスを提供する「Digital for Customers」、3つ目がこれらを産業レベルに広げ産業全体の振興につなげる「Industry Level Ecosystem Play」である。
「Digital for Bridgestone」によるスマート工場事例
「Digital for Bridgestone」の取り組みの1つが、スマート工場化である。象徴的な取り組みがICTや人工知能(AI)技術を搭載した新たな生産システム「EXAMATION(エクサメーション)」である。EXAMATIONは、AI関連技術などを組み込みタイヤ成型工程を完全に自動化した生産システムだ。
ビッグデータ分析を行いアルゴリズム生成を行うシステム群「BIO(Bridestone Intelligent Office)」と、生産工程を自動制御するシステム群「BID(Bridgestone Intelligent Device)」の2種類のシステムで構成され、機器に取り付けられたセンサー群と、これらから得られたデータによりBIOで生成されたアルゴリズムで高度な生産品質を実現する生産システムだ。
既に同社彦根工場で稼働しているが、完全自動化により生産能力が2倍となった他、既存の成形機と比べて7倍の情報を取得できるようになったため、品質のバラ付きも20%抑えることができたという。
三枝氏は「こうした新たな生産設備を導入することで工場の改善活動そのものも変わってきた。データを取得できる設備が増加することで、改善活動のデジタル化が実現できるようになった。それにより、属人的で難しかった改善活動のグローバル展開ができるようになってきた」と導入工場以外の成果の波及について紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.