マシンビジョンシステムの種類とプラットフォーム:いまさら聞けないマシンビジョン入門(3)(1/2 ページ)
製造現場のプロセス自動化や品質向上に役立つマシンビジョンの基礎知識をお伝えする本連載。第3回はマシンビジョンシステムの種類やプラットフォームの違いについて紹介する。
マシンビジョンシステムの種類
マシンビジョンシステムには、1次元ビジョンシステム、2次元ビジョンシステム、3次元ビジョンシステムの3つのカテゴリーが存在する。
1次元ビジョンシステムとは
1次元ビジョンシステムは、10ラインを1グループとして、直近に取得したグループとその前のグループの差を評価するなど、全体を1度にまとめて見るのではなく、デジタル信号を1度に1ラインずつ解析する。この方法では、紙、金属、プラスチックなど不織シートやロール製品など、通常、連続したプロセスで製造される材料の不具合を検知、分類する(図1)。
2次元ビジョンスキャンシステムとは
2次元ビジョンスキャンシステムは、2次元でスキャンを行うビジョンシステムである。主に2つの種類が存在する。最も一般的なのは、エリアスキャンを行って2次元スナップショットを取り込む方式である(図2)。
また、ラインスキャンを行い、1ラインずつ2次元画像を構築する2次元マシンビジョンシステムも存在する(図3)。
エリアスキャンシステムの方が高品質で便利なように見えるが、アプリケーションによっては、エリアスキャンシステムよりもラインスキャンシステムの方が適していることがある。
例えば、円形または円柱形のパーツの検査には、パーツの表面全体をカバーするために、複数のエリアスキャンカメラが必要になる。しかし、1台のラインスキャンカメラの前で、このパーツを回転させることができれば、表面全体を取り込むことが可能だ。また、コンベヤーのローラの隙間からカメラでパーツの底を撮影する場合、ラインスキャンシステムなら、狭いスペースでも簡単に設置できる。一般的にラインスキャンシステムで画像を構築するには、パーツが移動している必要があるため、このシステムは連続して動いている製品に適しているといえる(図4)。
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