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HILSを使ってECUをテストする(その1)いまさら聞けないHILS入門(9)(2/3 ページ)

車載システムの開発に不可欠なものとなっているHILSについて解説する本連載。今回から、HILSを用いてどのようにECUをテストするかについて説明していきます。まずは手動テストから紹介します。

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起動制御仕様

 表2はシステムの大まかな動きを示すものですが、ECU機能を検証するには、ECUの制御をより正確に把握する必要があります。そのためにECUの制御ソフトの基となる制御仕様書を参照します。

 制御仕様書は、システム全体が表1の機能を発揮するためにさまざまな条件においてECUがいかにふるまうべきかを記述しています。表3は、制御仕様書の制御要件を極簡単に文章で表現したものです。実開発では、文章だけでなくフローチャートや図、表、数式、モデル記述ツールなどいろいろな手法を併用して、精確で分かり易い表現を目指します。

表3
表3 起動機能制御仕様(クリックで拡大)

起動機能のテスト

 ECUのテストは、制御仕様書を参照して、テスト機能ごとに前提となるシステム条件と機能を発揮するきっかけとなる条件を決めて、ECUを動作させ、ポイントとなるECUの入力と制御出力の変化を測定、観察します(表4)。

Step 項目 テスト作業
1 テスト前条件設定
(表2−Step1)
HILSシステム上のプラントモデルを作動させ、ECUの電源をオンする
システム立上げ時の初期状態:スイッチは全てオフ(エンジン停止状態、発電機負荷未接続状態)
2 起動操作
(表2−Step2)
PC上のUIの起動スイッチをオン操作する(HILSスイッチロジックが働いて、ECUの起動スイッチ入力信号に対応するHILS 出力がオン状態になる)
プラントモデルにスターターがないので、起動スイッチオンに連動してHILSシステム操作により強制的にエンジン回転数を200rpmまで0.4秒で加速する
3 ECUの起動動作観測・測定 起動スイッチ入力、燃料ポンプ出力、エンジン回転数、起動スイッチスロットルバルブモーター出力、スロットルセンサーのポジション、インジェクタパルス、イグニッションパルスを観察・測定する。測定は、1秒間に100回の頻度で行う
表4 起動機能のテスト手順

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テスト | ECU | モデルベース開発


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