航空機部品の管理効率化のため、RFIDラベルを提供:組み込み採用事例
富士通は米Boeingと、RFIDラベル「FUJITSU RFID Integrated Label」の供給契約を締結した。Boeingが実施する、航空機部品のライフサイクル管理効率化に向けたRFID導入プロジェクトにおいて、RFIDラベルを提供する。
富士通は2017年4月24日、米Boeingと、富士通のRFIDラベル「FUJITSU RFID Integrated Label」(RFID Integrated Label)の供給契約を締結した。Boeingが実施する、航空機部品のライフサイクル管理効率化に向けたRFID導入プロジェクトにおいて、RFIDラベルを提供する。
Boeingは、1機あたり約7000点に及ぶ航空機部品に、製造段階からRFID Integrated Labelを貼付。RFIDを活用してARLと呼ばれる構成部品リストを自動生成し部品情報を管理する。これにより作業員の工数削減やヒューマンエラーの軽減など航空機の出荷作業/業務を効率化し、生産性向上を目指す。
また、ARL活用により、部品の正確なトレーサビリティーが確保され、整備時や不具合発生時に迅速な対応ができる。さらに、入出庫管理や棚卸業務にRFIDを活用することで、物流業務の効率化と在庫の最適化も図れる。
なお、RFID Integrated Labelは、航空機に求められる耐環境性仕様「SAE AS5678規格」と、航空業界のRFID標準データフォーマット「ATA Spec 2000」に準拠している。
富士通はRFIDだけでなく、RFIDリーダやデータ書き込み/ラベル印字プリンタ、ソフトウェアなども関連ソリューションとして取り扱っており、顧客がより容易にRFIDを導入できるようサポートする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- MRJはいかにして設計されたのか
三菱航空機の小型旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の機体設計には、多目的最適化手法や、最適化の結果を可視化するデータマイニング手法が採用されている。MRJの事例を中心に、航空機設計におけるコンピュータ・シミュレーションの活用手法を探る。 - 航空機の設計者からフリーランスへ転身した3Dモデラーが大切にしていること
3Dモデリングツールや3Dプリンタを活用し、モノづくり業界で活躍するエンジニアやクリエーターにスポットを当てる本企画。今回は、神奈川県・鎌倉市でフリーランスとして活躍するハードウェアエンジニア/3Dモデラーの仙頭邦章氏を紹介する。 - 民間航空機産業へ参入するために考えるべきこと
INTERMOLD 2015で、川崎重工業 社友 榊氏が日本の民間航空機産業に関する市場分析や、参入するためのアドバイスについて語った。中小企業にとってはモジュールを納入できるような体制を作ること、川下企業にとっては組み立て自動化によるコストダウンなどがポイントになるという。 - 中国は航空機サプライチェーンの「勝ち組」になるのか
アリックスパートナーズは、航空機関連市場に関する調査結果を発表した。同調査結果では、MRJや炭素繊維素材の利用拡大などで日本企業の存在感拡大はあるものの、航空機のサプライチェーンにとって、今後は中国が存在感を高めるという見通しを示している。 - 航空機の車輪格納に使われるリンク機構
動作が終わったとき、コンパクトに格納したい! そんな機構を作るときのよいお手本が、航空機の車輪格納機構だ。