プロノハーツ、製造業向けVRシステム「Improov3」の販売を開始:VRニュース
プロノハーツはフランスのMiddleVRが開発する製造業VRコラボレーションシステム「Improov3」を販売開始。同製品はさまざまな3D CADフォーマットに対応し、VR空間における断面表示や寸法測定、干渉検知、人間工学評価といった幅広い機能を備える。
プロノハーツは2017年4月27日、フランスのMiddleVRと販売契約を締結し、製造業VRコラボレーションシステム「Improov3」を販売開始した。同製品は年間で20本の販売を予定している。日本の2次代理店も募集開始した。
Improov3はVR空間で、実寸表示の3Dデータを複数のユーザーとオンラインで共有・操作できるシステムで、注釈記入やスクリーンショット、断面表示、寸法測定、干渉検知などが可能だ。VRを利用していないユーザーもデータ共有できる。Oculus Rift、HTC Vive、CAVE、Power wall、3D TVといった複数のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)やVRシステムに対応する。
同製品はさまざまな3D CADデータを直接インポートし利用できる。対応フォーマットは、 CATIA V5、CATIA V6、3DXML、SolidWorks、Siemens NX、STEP、IGES、VRML、FBX、OBJ、3DS、STL、DWG。エクスポート可能なのは、3DXML、VRML、OBJ、FBX。またA.R.T.やVicon、XSensなどモーションキャプチャートラッカーを用いて、仮想マネキンを利用した人間工学評価もできる。
Improov3は2017年6月21〜23日に開催する「第25回 3D&バーチャルリアリティ展」(IVR)において、プロノハーツブースで出展する。
プロノハーツは製造業向けVRシステム「pronoDR」を開発・販売する。pronoDRではVR空間における大規模3Dデータ(部品数万点レベル)の確認、3Dデータの中を自由に動き回るといったことに優れている一方で、Improov3はVR空間で断面表示や寸法測定といった細やかな機能を利用する、複数人数でのデータ共有などに適している。同社は特長の異なる2種のVRシステムを顧客のニーズに合わせて提案していく。
pronoDRについては、販売当初から「中小企業向け」ということで販売してきたが、「中小企業の導入事例が着々と増えてきている」(同社 代表取締役 藤森匡康氏)といい、今後、CADベンダーイベントなどで事例を公開していく予定だ。
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