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日本電産の業績が4年連続で過去最高、永守氏「売上高10兆円まで辞めない」製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日本電産が2017年3月期の通期決算を発表した。売上高は5期連続の増収となった。中期戦略目標「Vision2020」達成に向けて新規M&Aや「働き方改革」を着実に進める方針も示した。

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日本電産の永守重信氏
日本電産 代表取締役会長兼社長の永守重信氏

 日本電産は2017年4月26日、東京都内で2017年3月期通期の決算説明会を開催した。売上高は5期連続の増収となった。中期戦略目標「Vision2020」達成に向けて新規M&Aや「働き方改革」を着実に進める方針も示した。

 2017年3月期の業績は、連結売上高が前期比1.8%増の1兆1993億円、営業利益は同19.3%増の1403億円となった。売上高は5期連続、営業利益は4期連続で増加し、前期に引き続き過去最高を更新した。

 重点事業と位置付ける車載向けは、為替の影響により売上高は前期比3.8%減の2611億円となったが、電動パワーステアリング用モーターや日本電産トーソクのコントロールバルブの売り上げは増加した。また、家電・商業・産業用モーターは新製品・新市場・新顧客の売り上げが増加し、前期比9.7%増の3109億円となる。

 精密小型モーターの売上高は前期比2.4%減の4371億円だった。HDD用のモーターの販売数量はほぼ横ばいだが、為替の影響により売り上げが減少。一方、OA機器や通信など向けの「その他小型モーター」の売り上げは前期比2.5%増と伸長した。

過去10年の売上高と営業利益の推移(左)。事業ポートフォリオの変換が順調に進んだ(右)(クリックして拡大) 出典:日本電産

 2017年3月期の業績を振り返って、日本電産 代表取締役会長兼社長の永守重信氏は「事業ポートフォリオの転換と収益力の改善が業績と連動する段階に入った」とコメントした。同社は2012年に事業ポートフォリオの転換を図って、精密小型モーターから、車載および家電・商業・産業用に力を入れ始めた経緯がある。現在の売上高構成比を見ると、精密小型モーターは36.5%なのに対し、車載向けが21.8%、家電・商業・産業用が25.9%を占めている。

 日本電産は2020年度に売上高2兆円を目指している。精密小型モーター、車載用、家電・商業・産業用の3つを売上高6000億円以上の規模の事業に育てることで、2兆円の目標を達成する。このうち、車載用は自律成長で売上高6000億円、M&Aによる上乗せで1兆円まで拡大する計画だ。

6000億円×3本の柱で2兆円を達成する
6000億円×3本の柱で2兆円を達成する(クリックして拡大) 出典:日本電産

自社開発でスマートファクトリー推進中

 日本電産は、中期戦略目標のVision2020において営業利益率を15%以上に改善することを目指している。2017年3月期の営業利益率は11.7%だった。注力するのは、仕入原価や製造原価などを低減することによる売上総利益率の大幅改善だ。決算説明会で永守氏は、材料費や外注費、直接労務費の抑制に取り組むことを説明した。

 直接労務費の低減に向けて、工場を自動化、IoT化する「スマートファクトリー戦略」を推進中だ。「欲しいものが社外にない。あっても高過ぎる」(永守氏)ため、搬送ロボットや自律走行するカート、生産ライン向けのビジョンシステムを自社開発して導入を進めている。社外への販売も視野に入れる。

 また、「働き方改革」も順調だと説明。永守氏は「生産性向上のためなら在宅勤務などどんな方法でも取り入れる。生産性を2倍にすることで残業ゼロを目指す」と語った。

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