組み込みソフトウェア単体テスト自動化ツールに新機能を追加:組み込み開発ニュース
イーソルトリニティは、組み込みソフトウェア単体テスト自動化ツール「TESSY」への新機能追加を発表した。最新バージョンは、「IBM Rational Test Realtime」で作成したテストケースが利用できる。
イーソルトリニティは2017年3月7日、同社が販売代理店を務める独Hitexの組み込みソフトウェア単体テスト自動化ツール「TESSY」に新機能が追加されたことを発表した。最新バージョンのTESSY V4.0.12では、コンポーネントテストとランタイム分析用のクロスプラットフォーム・ソリューション「IBM Rational Test Realtime(RTRT)」で作成したテストケースが利用可能。また、Linuxが動作するターゲットハードウェア上でテストを実行できる。
RTRT向けのテストケースは、テキストファイル「PTUファイル」に定義される。記述されたテストケースはTESSY内部のデータベースに変換可能なため、既存のテストケースを再利用してテストツールとしてTESSYを利用することもできる。
TESSYは、UNIX系OSが動作するターゲットシステムでテストを行う場合、Windowsのホストマシン上に対象のマイクロコントローラー用のテストアプリケーションを生成する。マイクロコントローラーがARM Cortexシリーズのコアの場合、ARM向けのLinaro GCCコンパイラが利用可能だ。
WindowsベースのホストシステムとLinuxベースのターゲットシステム間の通信は、Windows側のgdbclientとLinux側のgdbserverが担い、gdbserverはTESSYがSecure Shellを通して起動する。gdbclientを通して、テストアプリケーションのバイナリコードをターゲットシステムに転送するとそこでテストを実行。WindowsホストとLinuxベースのターゲット間の通信はTCP/IP、または物理層にUSBを利用した仮想環境を利用する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 組み込みソフトウェアの単体テスト自動化ツールの販売で提携
イーソルトリニティと独Hitexは、Hitexの組み込みソフトウェア単体テスト自動化ツール「TESSY」の日本市場における販売で提携した。同ツールは、国際標準の認証に貢献し、組み込みソフトウェアの品質を高める。 - 複雑化する車載機器開発をサポート、イーソルが専業子会社を設立
イーソルは、車載機器開発のサポートを専業とする100%子会社・イーソルトリニティを2015年4月1日に設立した。専門子会社の設立により、ソフトウェアの比重が増大している次世代車載システム開発の支援体制を強化していく構えだ。 - 組織体制もISO26262対応済みのジェイテクト、ADAS時代の機能安全は「冗長設計」
MONOistオートモーティブフォーラム主催のセミナー「IoT時代の自動車に求められるISO 26262と車載セキュリティ」の特別講演に、電動パワーステアリング大手のジェイテクトでシステム開発部 部長を務める賀治宏亮氏が登壇。本稿では賀治氏の講演を中心に、同セミナーのリポートをお送りする。 - クライアントサーバという究極の設計思想
Symbian OSの第3の特徴はクライアントサーバ・フレームワークだ。「セマフォ&共有メモリ」ではなぜダメなのか? - 開発するのに30分、テストするのに10万年
基本的な出荷基準の1つ「未実行コードがない」について詳しく解説するとともに、実践的な“パス・カバレッジ”の方法を紹介する