オートデスクが「Fusion 360」を企業向けに提案、年額3万6000円から:CADニュース
オートデスクは、クラウドベースの3D CAD/CAM/CAEツール「Fusion 360」の企業向けライセンス販売を強化する。専任の営業担当者を置き、導入後のトレーニングやコンサルティングといった環境も整える。無償ライセンスでの提供も引き続き維持する。
オートデスクは、クラウドベースの3D CAD/CAM/CAEツール「Fusion 360」の企業向けライセンス販売を強化する。専任の営業担当者を置き、導入後のトレーニングやコンサルティングといった環境も整える。
Fusion 360は学生やスタートアップ企業のユーザーが多く、個人の趣味や売り上げ10万米ドル(約1110万円)未満の企業は無償ライセンスで利用可能となっていた。有償ライセンスは価格の異なる2種類をそろえており、上級ライセンスは4軸、5軸の高度なCAMに対応している他、シミュレーションできる項目が増える。
今後は、板金設計への対応や、プリント基板の開発環境との連携、Webブラウザ上でのモデリングといった新機能を追加して企業での導入につなげていく。無償ライセンスでの提供も引き続き維持する。
3万6000円と17万8000円
2017年3月22日に東京都内で説明会を開き、「Autodesk Fusion」の製品戦略と事業の概況を説明した。
Fusion 360のライセンスの税別希望小売価格は、「Autodesk Fusion 360 Standard」が3万6000円、「Autodesk Fusion 360 Ultimate」が17万8000円となる。いずれも1年間のベーシックサポートが付く。クラウド上での共同作業が可能になる「Autodesk Fusion Team」は、シングルユーザーの税別希望小売価格が1万4000円。
Fusion 360 StandardとFusion 360 Ultimateの違いは、CAEとレンダリングをクラウドで利用するためのクレジット(オートデスクのクラウドサービスで、特定のタスクを実行するために必要な測定単位)と、CAMの自由度が異なる。Fusion 360 Standardは100クレジット、Fusion 360 Ultimateには1100クレジットが付帯している。クレジットは追加で購入することも可能だ。CAMは、Fusion 360 Standardが2.5軸、3軸だが、Fusion 360 Ultimateは4軸、5軸にも対応している。
Fusion 360に追加される新機能については、2016年11月開催のユーザーイベントでも発表されている(関連記事:「Fusion 360」が機能拡張、最新のジェネレーティブデザインを利用可能に)。
現状ではスタートアップや学生、個人ユーザーが大半
クラウド上でのチーム設計を支援するため、クラウドベースの製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューション「Autodesk Fusion Lifecycle」やIoTデバイスからリアルタイムで収集した情報をまとめる「Autodesk Fusion Connect」を日本導入を予定している。クラウド上に設計データをアップロードし、情報を共有したりコメントし合ったりできるようにするAutodesk Fusion Teamは、日本でリリース済み。「Hub」という単位でプロジェクト管理やユーザーの招待を行う。
Fusion 360はスタートアップ企業によるチーム設計の他、インドを含むアジアで政府が職業訓練所に採用するなど導入実績を増やしている。また、グローバルでは半数弱が学生の利用で、日本ではスタートアップ企業による利用が多いという。月あたりのアクティブユーザー数はグローバルで「6桁」(オートデスク)に到達した。スポーツ用品メーカーのUnder Armourや、二輪メーカーのOrange County ChoppersでFusion 360が採用された事例もあるという。
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