ルノー日産がフランスの大手交通機関と協業、無人運転サービスを共同開発:モビリティサービス
ルノー・日産アライアンスと大手公共交通機関のTransdevは、無人運転車を活用した公共交通やオンデマンド型交通サービスを共同開発することで合意した。無人運転車の乗車予約や、オペレーターが監視して自動運転車の運行管理を可能にする包括的な交通システムを開発する。
ルノー・日産アライアンスと大手公共交通機関のTransdev(トランスデブ)は2017年2月28日、無人運転車を活用した公共交通やオンデマンド型交通サービスを共同開発することで合意したと発表した。無人運転車の乗車予約や、オペレーターが監視して自動運転車の運行管理を可能にする包括的な交通システムを開発する。
トランスデブは公共交通機関のコンサルティング企業で、プロジェクトの準備段階から管理支援、日常的な運行までをサポートしている。欧州、北米、南米、インドや中国、豪州など19カ国に拠点を持つ。4万3000台の車両と路面電車22路線を運行管理している。2015年の総売上高は66億ユーロ(約7900億円)だった。フランス預金供託金庫とVeoliaが出資している。
両社で、パリのサクレー地区でルノーの電気自動車「ZOE」を使った実証実験や、オンデマンド配車や運行管理、経路選択のためのプラットフォームなどの検証を行う。ルノー・日産が持つ電気自動車や自動運転技術、コネクテッド技術の知見をトランスデブと共有することで、先進的な無人モビリティサービスを早期に市場導入するとしている。
ルノー・日産は、日本ではDeNAと協業して無人運転車の開発に取り組む。2017年内に日産自動車の自動運転車を使った技術的な実証実験を開始。国家戦略特区を活用してドライバーが不要な無人運転技術も開発する。2020年までに無人運転車の交通サービスプラットフォームのビジネスモデルを検証していく。
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