イノベーションは空から突然降ってくると思いますか?:“イノベーション思考”で発想が変わる!(6)(2/3 ページ)
発想を生み出すためには「考え方の技術」がある。コツの解説と演習を通じてその技術を身につけてもらおうという当連載。前回に引き続き、演習問題の解説編をお届けします。
一般的な知識が発想できるかできないかのカギになる
2つ目の切り口を見てみましょう。
「フレックス制を導入する」と「シフト制を導入する」の下位要素が全く同じ「朝から」「昼から」「夜から」となっています。
これをマトリックス構造と言いますが、これは1つ上のテーマが差別化できていないときになりがちです。もちろん、マトリックスにすることでモレのない解決策を生み出す事例もありますが、ロジックツリーでマトリックスになってしまったときは注意して再考してみてください。
ここでは、「フレックス制」「シフト制」と時間に関する2つの箱が出ています。こういうときは、「働く時間に自由度を持たせる」というような中間概念に気付けるとより多くの選択肢を生むことができるでしょう。
こちらも第4回で述べた点ですが、ここでどのような策が出せるかという点において、“知識量”が試されることになります。「働き方」という切り口でどれだけの策を提示できるか。時間なのか、場所なのか。何でも知識だけを増やせばいいのではありません。調べたらすぐに情報が出てくる社会。だからこそ、自分で考える力を身に付けることが大切です。
その上で、世の中のトレンドに敏感になり、広い視野で知識を身に付けておくということがイノベーションを生み出す力につながります。
「利用者を減らす」ための3つの方法とは?
最後に3つ目の切り口を見てみましょう。
ここは「利用者を減らす」ことを目的にしているのでしょう。ここからはテクニックになってしまうのですが、実は、「利用者を減らす」というテーマには3つの方法があります。バスの利用者だけでなく、会議室の利用者や人事制度の利用者など幅広い場面で使える方法なので、ぜひ覚えておいてください。
- 使わせない
- 使いたいと思わせない
- 使う必要性をなくす
3つ目の切り口は、このうちの「使いたいと思わせない」、その中でも「使わないメリットを提示する」ことにしか触れられていません。「使うデメリット」も必要ですし、「使わせない」ための制限(ルール)や、「使う必要性をなくす」ための代替手段や発想の転換が必要になります。「バス以外の社用乗り物を導入する」はこの下に入ってくるかもしれませんね。
少し現実性に乏しい話になってしまいますが“バスの必要のないところに事業所を移転する”なんていう解決策も出てくるかもしれません。
ちなみに、私がこのテーマに対して作成したロジックツリーはこちらです。
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