ニュース
官民が連携し、先進型AI技術の研究ラボを設立:人工知能ニュース
パナソニックと産業技術総合研究所は、「パナソニック―産総研 先進型AI連携研究ラボ」を設立した。対話技術やロボット技術による業務支援、AI技術を応用する上での課題解決などをテーマとした研究開発に、共同で取り組む。
パナソニックと産業技術総合研究所(産総研)は2017年2月1日、「パナソニック―産総研 先進型AI連携研究ラボ」を設立した。
同研究ラボでは、今後の社会課題/顧客課題解決に向けた研究開発に共同で取り組む。1つは少子高齢化に伴う労働力不足という課題で、健康/介護分野、流通/接客分野において、対話技術やロボット技術による業務支援について研究開発を進める。また、AI技術の応用には、アルゴリズムの高度化やデータ規模の増大により膨大な計算能力を要するという課題があるが、計算機環境基盤の構築により、その解決を目指す。
産総研の情報/人間工学領域では、人工知能技術や人間の生理/認知/運動などの機能を明らかにする人間計測評価技術、介護分野や製造業などさまざまな業界におけるイノベーションを目指すロボット技術など、基盤技術を研究している。
パナソニックでは、2016年に大阪大学と人工知能共同講座を開始するなど、事業領域でのデータ獲得とそれを活用した商品やソリューションの開発を進めている。
両者は同研究ラボでの取り組みにとどまらず、今後も研究機関と企業としての連携を検討し、社会課題の解決に貢献していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 人工知能は製造現場でどう役に立つのか
人間の知的活動を代替するといわれる人工知能が大きな注目を集めている。ただ、製造現場で「使える」人工知能は、一般的に言われているような大規模演算が必要なものではない。「使える人工知能」に向けていち早く実現へと踏み出しているファナックとPFNの取り組みを紹介する。 - 第4次産業革命って結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第1回目はそもそもの「第4次産業革命とは何か」を紹介します。 - 製造業IoTに新たなデファクト誕生か、ファナックらが人工知能搭載の情報基盤開発へ
ファナックやシスコシステムズら4社は、製造現場向けのIoTプラットフォームとして「FIELD system」を開発し、2016年度中にリリースすることを発表した。競合メーカーの製品なども接続可能なオープンな基盤とする方針。製造業IoTでは各種団体が取り組むが、ファナックでは既に製造現場に350万台以上の機器を出荷している強みを生かし「現場発」の価値を訴求する。 - 熟練技術者のスキルを8時間で獲得、ファナックが機械学習ロボットを披露
ファナックは「2015 国際ロボット展」で、Preferred Networks(PFN)と提携して開発している産業用ロボットへの機械学習の適用事例を披露した。機械学習により熟練技術者が数日間かかるティーチングの精度を、8時間で実現したという。 - 製造業で人工知能はどう使うべきなのか
日本IBMとソフトバンクは、自然対話型人工知能「ワトソン(Watson)」の日本語版の提供を開始する。自然言語分類や対話、検索およびランク付け、文書変換など6つのアプリケーションをサービスとして展開する。