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収益不問で投資とリソース活用は自由? 放任主義が生むイノベーションイノベーションのレシピ(1/3 ページ)

コニカミノルタには、イノベーションのために放任主義が貫かれた部署がある。立ち上げは社外の人材によって行われ、投資や社外との共同開発を自由に行う裁量が与えられている。設立3年にして、新規サービスの開発という目標に向けた活動が製品として形になり始めている。

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 予算や収益についてうるさく言われない、投資はある程度まで本社の決裁なしでOK、会社の技術や取引実績は好きに使っていい――。

 コニカミノルタには、そんな自由放任な部署「ビジネスイノベーションセンター」がある。人員は約70人で、進行中の案件は100件以上。企画をあえてボツにすることや失敗することが奨励されており、1年足らずで10件の製品化にこぎ着ける機動力もある。

 コニカミノルタは2017年2月8日、基礎研究や製品開発の部門とは違うやり方で新製品や新サービスを生みだすビジネスイノベーションセンターについて、東京都内で説明会を開き、同社 執行役で事業開発本部長の市村雄二氏が取り組みについて語った。

本当に顧客に密着する事業開発

コニカミノルタの市村雄二氏
コニカミノルタの市村雄二氏

 コニカミノルタは2003年にコニカとミノルタが経営統合して以降、継続した事業変革で収益体制を作ってきた。現在は複合機の販売を中心とするビジネスモデルが主体だが、ICTを活用し顧客に密着して業務プロセスを改善するサービスに事業転換を進めていく。

 その事業変革のけん引役と位置付けているのが、2014年2月に新設したビジネスイノベーションセンターだ。コニカミノルタの顧客基盤をカバーするために、日米欧亜の5極体制とした。東京、シリコンバレー、ロンドン、上海、シンガポールに拠点を持つ。

 ビジネスイノベーションセンターは、顧客起点での新規サービスや新製品の開発を担う。市村氏は「基礎研究を行う中央研究所や、各事業部門の製品開発部隊、事業開発を担う事業推進部とは逆方向から製品化を行っている」と説明する。

 普通、製品やサービスの開発では、基礎研究の成果を製品開発に反映し、量産に結び付けていく。「基礎研究からスタートすると商用化までに“魔の川”(基礎研究と製品研究の間にあるギャップ)、“死の谷”(基礎研究と実用化の中間で事業化の見極めが困難になり資金不足で基礎研究が死に至ること)、“ダーウィンの海”(新製品を開発した後の既存商品や競合他社との競争)が待ち構えている」(市村氏)。

 ビジネスイノベーションセンターは、顧客が求める製品やサービスからスタートし、必要な技術があれば、コニカミノルタの社内に限らず、大学など研究機関やベンチャー企業にも協力を仰いで調達する。ダーウィンの海の向こう側から事業開発を進めていく格好だ。

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