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物流の効率化でリードタイム削減と1億円以上の経費節減――三菱電機群馬製作所工場ニュース(1/2 ページ)

三菱電機は、エコキュートを中心とした電気給湯機の製造拠点である群馬県太田市の群馬製作所内に物流センター・ショールーム・事務所からなる「複合棟」を建設。生産リードタイムの削減とともに物流コスト削減を実現した。

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 三菱電機は、エコキュート(自然冷媒CO2ヒートポンプ給湯機)を中心とした電気給湯機の製造拠点である群馬県太田市の群馬製作所内に2016年7月、物流センター・ショールーム・事務所からなる「複合棟」を建設した。物流センターの設置による部品調達から生産・出荷までの一貫体制構築と、体感型のショールーム「ユクリエ」による提案力向上を目指しているもので、経費面での削減効果も見込んでいる。2017年度には新たな生産管理システムの導入も計画しており、これらの取り組みで市場拡大が期待される電気給湯機事業のさらなる強化を図る。

エコキュートの戦略拠点となる群馬製作所の変遷

 三菱電機群馬製作所は1959年に家庭電器工場を名古屋製作所から移転し、操業を開始した。敷地は戦時中(1941年)開設の中島飛行場尾島工場の跡地にあたる。1964年には深夜電気利用の電気温水器を開発し発売。その後、1967年にクリーナー「風神」。1972年にジャー炊飯器、1977年にふとん乾燥機、オーブンレンジ、1978年に石油ファンヒーターなどを相次いで開発、販売した。2005年にはそれらの家電製品の生産を、三菱電機の生産子会社三菱電機ホーム機器(埼玉県深谷市)へと移管し、現在は電気温水器と2001年に開発・販売したエコキュートを含めた家庭用から業務用まで幅広い製品群を扱う電気給湯機専門の生産拠点となった。2016年には電気給湯機の累計生産台数500万台を達成している。

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群馬製作所はエコキュート(タンク部分)の製造を担当している

 同製作所の主力製品であるエコキュートは高効率給湯機として省エネ効果が期待され、国からの導入補助金制度(2002年〜2010年度)が設けられた。また、オール電化住宅の普及などにより、順調に市場が拡大。2010年度に国内出荷は57万台に達した。しかし、2011年の東日本大震災を起因とした電力供給不安による電気熱源離れの影響を受け、2015年度には41万台まで縮小。ただ、このところ需要の底打ち感も見られ、三菱電機では2016年度は前年比3%増の42万台を見込み、さらに2020年度には再び50万台を突破するものと予測している。

 こうした、今後の市場環境の変化に対応するため効率的な生産・物流体制の構築を目指して三菱電機群馬製作所では、2016年7月に23億500万円を投資し、物流センター・ショールーム・事務所からなる「複合棟」を新設した。建物は鉄骨造、一部2階建てで、建設面積は1万2326m2(延床面積1万3457m2)。

 このうち物流センターの面積は9097m2で、エコキュートであれば9000台収容能力をもつ。生産工場から直結した物流センターの入庫バースの長さは36mあり、3つの入庫口を設けている。また、出庫バースの長さは117mで、出庫口は7つ。トラックが着けられる積み込みバースは5カ所設置した。

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物流センターの積み込みバース

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