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地味にスゴイ! プリント基板の実装品質を左右するメタルマスクママさん設計者の「モノづくり放浪記」(6)(5/9 ページ)

ファブレスメーカーのママさん設計者が、機械系モノづくりの“生”現場を渡り歩き、ありとあらゆる加工の世界を分かりやすく解説していく連載。今回紹介するのは高密度実装基板用のメタルマスクの製作を得意とするイトウプリント。部品実装の品質を大きく左右するメタルマスクの製作工程を見ていく。

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エッチング工程

 印刷工程を後にして、さらに上の階の現場にお邪魔してみます。ここは、独特な香り漂うエッチング工程です。同社におけるメタルマスク製造では、このエッチング工程も欠かせないものです。

 まず、こちらを御覧いただきましょう。これはメタルマスクのサンプルですが、局部的に段差が設けられています。


メタルマスクのサンプル

 赤いラインで囲んだ部分は、厚さ170μm(0.17mm)。


厚さ170μm(0.17mm)の部分

 青いラインで囲んだ部分は、厚さ150μm(0.15mm)。それ以外の部分は全て厚さ100μm(0.1mm)となります。


厚さ150μm(0.15mm)の部分

 マーキングのフィルムを外してみると、かすかな段差が確認できますね。

よく見ると、段差が……

 これは、2段ハーフエッチング加工です。1度めに170μmから150μmに落とし、2度めに150μmから100μmへと、2度ハーフエッチングしていることになります。

 同社のメタルマスク製造におけるハーフエッチングの出番は、1つのメタルマスクの中にクリームはんだの塗布量を減らしたい箇所がある場合、その部分の厚みを除去する時です。同社では、ハーフエッチング部の位置精度は±0.05mm、板厚精度は±0.01mmという繊細なコントロールでこれを行っています。化学的に処理するので、原理的には加工後のゆがみや変形の心配がなく、バリやカエリも発生しません。上記サンプルはハーフエッチングですが、処理時間を長く取ることによって貫通することも可能です。いずれも手順はさきほどのシルク版の製造手順とほぼ同じです。

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