74作品から選ばれた最優秀賞は? ファブ3Dコンテスト審査結果発表会レポート:3Dプリンタニュース(2/3 ページ)
ファブ地球社会コンソーシアムは、2016年8月1日〜10月31日に募集した「ファブ3Dコンテスト2016」の審査結果を発表した。74の応募作品から選ばれた最優秀賞は誰の手に?
「歯磨きがいい加減問題」を解決
カテゴリー2「家族が喜ぶ3Dプリンタ活用法」の最優秀賞ノミネート作品は、福岡県の塩塚貴子さん(と家族)による「虫歯の歯ブラシスタンド」だ。
塩塚さんを含めて家族全員が3Dプリンタの初心者だったところ、ファブラボ太宰府で「家族のためのデザインワークショップ」に参加したのをきっかけにコンテストに応募したという。ワークショップのテーマになっていた「家族の課題」について「妹がわがまま過ぎる」「長男がいつもパンツ一丁」などの意見が出る中、子どもたちがしっかり歯磨きをしない「歯磨きがいい加減問題」を3Dプリンタで解決しようということに。
そこで作ることにしたのが歯磨きしたくなる歯ブラシスタンド。3Dモデリングは塩塚さんの次男が担当するなど家族一体になって取り組んだ。カテゴリー2 審査委員長の国際STEM学習協会 代表理事、FabLab Kamakura代表 渡辺ゆうか氏は「カテゴリー2は、着眼点、ストーリー性、改善度、使い勝手、デザイン性を評価軸にしたが、この作品は、課題出しから製作まで家族にとって必要なものを考えていった上で、日常でも使えている点で評価が高い」としている。
ありそうでなかった「3Dデータのコラージュ」
カテゴリー3「3Dプリンタで○○をやってみた!!!」の最優秀賞ノミネート作品は、DMM.make AKIBA アルバイトの三谷知靖さんによる「俺菩薩」だ。
作品としては、3Dデータ共有サイトにある仏像の3Dデータに、スキャナーでスキャンした自分の頭部をコラージュするという内容(+猫)。カテゴリー3 審査委員長のSTARTUP CAFE KOZA、沖縄ミライファクトリーの西村大氏は「そうと言ってしまうとたいしたことがないと感じるかもしれないが、3Dデータのコラージュというのはありそうでなかったメディア表現。まさに『3Dプリンタがないとできない』『3Dプリンタがあればできる』という審査基準に合致している。そこにセンスが加わることで、素晴らしい作品に仕上がった」と語る。
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